第364話 街中に飛ぶ砲弾
街中に警報音は鳴り響いているものの、奇襲攻撃が功を奏したのか敵部隊の迎撃は散発的なものに留まり、交戦自体殆どする事も無く街中の広場に辿り着く事に成功する。そのまま最終目標地点の駐在部隊司令室に向かおうとするがそこに戦車型の大型兵器が三体現れる。
「大広場に大型兵器か……これって誘い出されたんでしょうか?」
このタイミングで大型兵器が出撃してきた事に若干の不安を感じ、それを口に出すシレット、だがコンスタリオは
「いいえ、だったらもっとこちらの戦力を削りつつ仕掛けてくる可能性の方が高い。敵に策士が居るのであればね。でもそれに該当しないという事は今回の敵は間抜け揃いと言う事になるわね」
と余裕を崩さない姿勢だ。その言葉に反応したのか、大型兵器がいきなり砲撃を仕掛けてくる。人族部隊は見事にそれを躱し、そのまま大型兵器に向かってモイス、シレット、コンスタリオを先頭に接近していく。そして後方の兵士達が銃を手に構えて兵器に向かって発砲するが戦車の装甲は流石なのか損傷は与えられない。戦車は怯むことなく反撃しようと砲撃体制に入り、銃弾を撃って来ようとする。だがその前にシレットは
「サンダー・ブロー!!」
と言って雷を纏った拳を砲台部分に当ててその部分から電流を流して破壊し、モイスとコンスタリオは操縦席を発見してそこから中に入り込む。
「戦車の構造は俺達の移動車と同じだな!!盗んだ技術でも自慢したいのか!!」
兵器の中に入り込んだモイスはそう言いながら中で手にした機関銃を乱射し、内部に居た魔神族兵士を一掃する。一方、同じく内部に突入したコンスタリオも
「慌てて兵器を持ち出してきた所で!!ウィンド・ウェーブ」
と言って足を一回転させて衝撃波を放ち、その衝撃波で魔神族兵士を跳ね飛ばして兵器の壁に強打させる。そうして大型兵器の無力化に成功すると外に出てそれぞれの無事を確認し、改めて最終目的地である基地司令部に向かおうとする。だがその時街の表口付近から爆発音が響いてくる。
「爆発音!?一体何が……」
モイスが思わず困惑した声を上げるとコンスタリオは
「戦況確認を行うわ!!」
と言って端末を取り出し、その端末で戦況の確認を行う。すると驚くべき事が起きていた。正面で交戦していた部隊が防衛部隊を押し込み、街の入り口まで到着しようとしていたのだ。
「正面の部隊がすぐそこまで迫っているみたいね。でもこのままいくと追い詰められた司令官がどんな暴挙に出るか分からない……急ぐわよ!!」
この状況を逆に急がなければならないと捉えたコンスタリオはそう発破をかけ、それを受けた一行は改めて街司令部へと急ぐ。
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