第237話 今すべき事を!!
その膜に包まれた扉を見た兵士が
「隊長、その技は……」
思わずそう口にする所を見ると、どうやらその兵士がその技を見るのは初めての様だ。
「移動や攻撃を防ぐ結界だ。効力が永遠という訳ではないが少なくともこれでしばらくの間兵器がこちらに来ることは阻止出来る、さあ、今の内に!!」
豊雲はそう説明すると兵士達にその場から離れる様に促す。そして促されるままに兵士達はその場から離脱し、それを確認した後豊雲本人もその場から離れ、急ぎモニタールームへと向かって天之御に連絡をつけて今回のいきさつを説明する。それを聞いた天之御は
「そうか……そんな事が……」
事情を聞いた天之御はそう返答すると考え込む、既にブントが居ない筈の街で負傷者が出たことがショックだったのだろうか。
「現状ではまだあの兵器が防衛システムなのか、そうでないのかは判断出来ません。可能性としては前者の方が高いですが、もしそうでなかったとしたら」
「奴等はワンカーポに再度侵攻する何らかの手段を持っているという事になるね。とにかく、これは野放しにしておくわけには行かない。こっちで何とか対策を考えるからその間君は引き続き監視と他の場所の調査にあたって。
但し、こうした事態が起こった以上絶対に単独行動は行わせないで」
豊雲の報告に伝言と次の指示を出す天之御、それを受けた豊雲は黙って敬礼する。それはその指示を了承した事を意味していた。そしてそのまま通信を切る。
それを確認した天之御はすぐさま城に居る面々を収集し今回の事態について説明する。
「防衛システムか何らかの手段による侵攻、ブントの次なる一手が来たという訳ですか……」
「どちらにしても厄介ね……特に後者だったら他の街にも同様の仕掛けが施されている可能性も考えられるわ」
天之御の説明を受けて空弧が私見を述べると星峰もそれに続ける。
「ああ、だからこそここを放置して置く訳にはいかない。故にまずはこの問題を最優先に対処しようと思う」
天之御がそういうとその場に居る全員が頷き、それを確認した天之御は
「なら、やる事は分かっているね!!」
と言って転移妖術を使う。
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