第189話 白銀の魔鏡
「狐妖術……白銀の魔鏡!!
熱線が直撃しそうになった際、星峯はそう叫んで目の前に鏡を出し、その鏡で熱線を反射させる。反射した熱線はそのまま放った砲台に向かいその砲台に直撃して爆発させる。その爆発と共に「ぐらっ」という音と激しい揺れがイェニーの乗っている箇所にも起こる。
「フレア・バスター一号機大破!!これ以上の使用は不可能です」
兵士がそう告げるとイェニーは
「ちっ、まさかあの様な能力まで持っているとはな……流石に魔王の側近だけのことはあるか、二号機以降の準備を直ちに開始し、一号機に回す筈のエネルギーもそちらに回して出力を上昇させろ」
と焦りが混じった少し険しい顔で言う。その言葉を受けた兵士は何も言い返す事無く淡々とその作業に入る。一方、フレア・バスターの直撃を防いだ星峯は足を掴んでいた兵士を振り払い交戦を再開する。
「あの光、破壊出来たの?」
岬がそう尋ねるが星峯は
「いいえ、あれはまだ一つが起動していただけに過ぎないわ。つまり、まだ次が来る。奴等の内心を読んであれが複数ある事は確認したわ」
と険しい顔を崩さない。そしてそれを聞いたその場の面々も顔が険しくなる。
「既にあれが量産されているって事!?だとしたらかなり厄介だね……」
天之御でさえ、その事実に思わず顔を歪める。それ程にあの熱線の恐ろしさはこれまでの兵器よりも群を抜いていた。
「しかし、先程の能力を見せた以上敵も容易な乱射はしてこなくなるでしょう。故に次が来る時はこちらが大きな隙を見せた時になると思います」
「つまり、その大きな隙を見せる事無く戦う事が出来ればそれを放たれるのを阻止出来る、そういう事だね」
星峰の告げた言葉に微かな希望を抱き、天之御の顔も僅かに緩む。そしてその希望に発奮したのか一同はすかさず進行に移り、近くにいる兵士や兵器を蹴散らしていく。だがその直後天之御の元に
「各タウンの防衛部隊、ブントの侵攻部隊と交戦に入りました」
と他の戦場も開戦した事を告げる通信が入る。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます