第74話 もう一面の報告
星峯達が戦いの後の報告を行っていた頃、キャンル内、コンスタリオ自室においてもモイス、シレットと共にコンスタリオが今回の一件を知り、話し合っていた。
「ええっ!?正規軍がブエルスに侵攻しようとして返り討ちにあった!?」
シレットが信じられないと言わんばかりの困惑の声をあげるとコンスタリオは
「ええ、それも結構な数の部隊を差し向けたらしいけどね」
机に両肘を置き、深刻な表情でそれを伝えるコンスタリオ。
「しかしよ・・・正規軍の独断は何時もの事じゃねえの?何でそれを・・・」
「こらモイス!!」
モイスが不満げな口を出すとシレットは制止しようとする。だがコンスタリオは
「ええ、正規軍の暴走は今に始まった事では無いわ。だから問題はそこじゃないの」
とモイスの不満を肯定しつつ、問題点が別にある事を告げる。
「じゃ、何が問題なんですか?」
当然の様にその言葉に引っ掛かりを覚えたシレットがコンスタリオに問いかけ、その返答を待つ。
「・・・その戦場の中にスターの姿を確認したという報告があったの」
それがコンスタリオの本題であった。それを聞いたシレットとモイスは驚愕の表情を浮かべ、コンスタリオを見る目が変わる。
「スターの姿が!?でもスターは・・・と言う事は!!」
「ええ、魔神族はスターの能力を自分達の戦力に取り込んだという事よ。そして更に気になるのがこの話が公表されたものでは無く、上層部がひそひそと話していたという事。私も偶々通りかかって耳にしたから聞いただけなの」
シレットの問いかけに対し、コンスタリオは自身の予測と更なる疑問点を話す。だがスターの能力を魔神族が取り込んだという事実が重すぎたのか、その言葉は二人の耳には入っていない。
「となると、今後の展開次第では・・・」
「ええ、スターと戦う事になるわね。無論、避けたい話ではあるけど、あのスターはスターでは無い以上、恐らく回避は不可能」
嘗てない真剣な表情で迫るモイスに返答するコンスタリオ、嘗ての同志で能力を知るが故の懸念であった。
「とにかく、又何か動きがあるかも知れないから常に警戒心を持っておいて」
コンスタリオはモイスとシレットにそう告げ、二人を部屋から出す。だが出した後顎の下に手を添え
「更に言ってしまえば奴等が何故このタイミングでスターの姿を見せたのかも気になる・・・もっと効果的な場面が幾らでもあるでしょうに・・・」
と更なる疑問を考えるのであった。
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