第10話 日本でLARPゲームはどこで・どうすればできる?
さて、今回はちょっと実質的な話に掘り下げてみよう。このエッセイを読んでもらった中で、読者諸兄の中では、
「日本でLARPゲームしてみたい!」
と、ありがたくも思って頂けた方々がいるかもしれない。
しかしそういえば、思い返してみれば、レイムーンLARPのことや様々な関連のことは話したものの、実質的な話には食い込んで話をしていなかった気がする。
「ぶっちゃけ、LARPゲームはどこでできるの?」
さてはて、日本でLARPゲームができる所は一体どこなのだろうか?
もちろん、LARPゲームといえども多種多様だ。LARPというカテゴリに当てはめるならば、実は無数のケースが存在する。現実を代替して体験できれば大体LARPなので、サバゲーや、リアル脱出ゲームはもちろん、ゲームルールの無いメイド喫茶や、極論おままごとだって、一種のLARP(後者はLARPゲームではないのがポイント)かもしれない。
とはいえ、このままだと話が進まないので、「レイムーンLARPがやっているような」「着替えて、または着替えなくてもそのままでゲームに支障が出ない」「ゲームとしてやっている」そんな場を、ご紹介したいと思う。
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・レイムーンLARP
主な活動場所 : 埼玉県入間市
活動頻度 : 毎月1回
活動形式 : キャラクター作成・シナリオ有
使用ルール : パトリア・ソーリス(2016年7月現在)
戦闘形式 : チャンバラ方式
公式サイト : http://laymun.minim.ne.jp/
公式ツイッターアカウント : @LARP_laymun
もはや言うまでも無いが、このエッセイの主役であるレイムーンLARPは日本で既に3年、中世ファンタジーLARPや一部現代ホラーLARPを遊んでいる非営利個人サークル。日本人向けを目指した「和製LARPゲーム」を目指す、日本で老舗のLARPサークルだ(というか、なってしまった)。有料のレンタル品も完備、フリーハンドで参加できる。2015年には日本で初の宿泊型野外LARPゲームを開催した。プレイヤー協力型のゲームを得意とする。
・クトゥルーライブ
主な活動場所 : 東京都秋葉原or都内近郊
活動頻度 : 3ヶ月〜半年に1回
活動形式 : キャラクター作成・シナリオ有
使用ルール : クトゥルーライブ第3版(2016年7月現在)
戦闘形式 : ターン制移動方式
公式サイト : なし
公式ツイッターアカウント : @CthulhuliveJP
2015年より始まった、LARPゲームルールを用いた本格的なLARPゲームイベント。近年人気が高まるラヴ・クラフトのSFホラー「クトゥルフの呼び声」の世界観を基に、LARPゲーム用に作られた海外ルールを翻訳し、日本人でも遊べるよう努力されている。近年は秋葉原のTRPGカフェを利用していたが、都内近郊の公共施設でのゲームも視野に入れているとのこと。プレイヤー個別・対立型のゲームを得意とする。
・ゆるLARP
主な活動場所 : 都内近郊or千葉などのサバゲー会場
活動頻度 : 不定期
活動形式 : キャラクター作成無し・コンバットオンリー
使用ルール : 主催作成・独自ルール(2016年7月現在)
戦闘形式 : チャンバラ方式
公式サイト : なし
公式ツイッターアカウント : @fiftyfunfzig
レイムーンLARPのメンバーである槍さんが個別に主催している、2015年から始まったゆるーいLARPゲームである。イメージとしては中世ファンタジー版サバゲーに近く、シナリオ無しのコンバットオンリーで、甲冑騎士や中国兵士等、ドレスコードもゆるやかな中でチャンバラを行う。魔法ルールも存在し、詠唱と共にバイオ弾を一掴み投げつけるなど、非常にユニーク。主催自作の武器が様々にあるため多様な武器を使用することができ、とにかく浪漫たっぷりの武器や防具で戦いたい人にオススメ。
・ダンデリオンLARP
主な活動場所 : 香川県(2016年9月現在は「ときこす」にて主に活動中)
活動頻度 : 不定期
活動形式 : キャラクター作成・シナリオ有(別イベント出張時はその限りではない)
使用ルール : パトリア・ソーリス(2016年9月現在)
戦闘形式 : チャンバラ方式
公式サイト : http://blog.livedoor.jp/dandelion_larp/
公式ツイッターアカウント : @dandelion_LARP
代表ユイエさんのLARPゲームに対する熱き想いで2016年8月に立ち上がった、出来立てホヤホヤのLARPゲームサークル。中世ファンタジーを起点として活動を行っていき、レイムーンLARPのようなシナリオ重視・チャンバラ戦闘のゲームを展開していく予定とのこと。現在は香川県で行われるアナログゲームイベント「ときこす」にて参加し、まずはLARPゲームの認知度拡大を目指している。
・クトゥルフ謎解きイベント(2016年10月現在の内容)
主な活動場所 : 佐賀県
活動頻度 : 不定期〜1年に1回
活動形式 : キャラクター作成なし・シナリオ有
使用ルール : 独自形式ルール(2016年10月現在)
戦闘形式 : 戦闘なし
公式サイト : なし
公式ツイッターアカウント : @Cthulhu_mania
代表者masuさんのクトゥルフ関係のコレクションをベースとした謎解きイベント。特筆すべきは、謎解きといえどしっかりと土台を作り出した「シナリオ」であり、ストーリーが存在している。また、小道具へのこだわりが段違いで、海外から取り寄せたもの、ご自身で作成されたものなど、細部までの気遣いが感じられ、小道具だけでも強い没入感を得られるだろう。来年からは明確にLARPゲームイベントとしてのゲームシナリオ構築を計画中とのことだ。
・アナログゲームLARP団体 CLOSS
主な活動場所 : 埼玉県を中心に全国展開
活動頻度 : 不定期
活動形式 : キャラクター作成有・シナリオ有
使用ルール : 簡易汎用ホラーLARPルール「メメント・モリ」、他随時作成予定
戦闘形式 : チャンバラ方式/非接触戦闘方式
公式サイト : http://closs.minim.ne.jp/
公式ツイッターアカウント : @CLOSS_LARP
2016年8月1日に立ち上げられたアナログゲームLARP団体。代表はレイムーンLARPと同じく星屑。LARPゲームを広く普及する事を活動の目的とし、レイムーンLARPという個人サークルでは成し得なかった全国展開でのセミナー、ゲームイベントを開催する。今後、企業との各種コラボしたイベントも展開予定。
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現在、日本で開催され続けているLARPゲームは主にこの6団体だ。(※1)
(※1)……日本で初のLARPゲームを行ったカーミニアLARPは現在休止状態となっており、公式からのアナウンスは無い状態のため、今回の紹介では省略した。
関東の方が多く、関西方面はまだ1団体のため、関西の方々には現在、プレイヤーとして遊ぶことが難しい状態にあるのが現状である。
「レイムーンLARPが精力的に動いているなら、是非関西にも進出を!!」
という声も高いのだが、残念ながら非営利個人サークルであるゆえに、予算も心もとなく、輸送費・交通費共に考えると、よほどの強力な金銭支援が無い限りは関西でLARPゲームを行うことそのものがなかなか厳しい。
となれば、次に思いつくのは───そして我々としても思い付いて欲しいのは───『自分たちでLARPゲームを主催する』ことである。
こちらについて、実は言及している作品を著者は書いていた。せっかくなので、こちらに掲載しておきたい。
LARPゲームサークル運営ガイドブック
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881333854
サークル立ち上げ時期や運営方法について記述し、「どうすれば日本でできるのか」に焦点を当てて書き記したものである。
逆に言えば、こういったことを作品としてまとめてしまうことが出来るほど、初めての経験で、なおかつ色々と揃えていくことは確かに大変ではあった。が、私たちが行っていたのは中世ファンタジー世界であったがゆえ、スタートから大変だったにすぎないように思うのだ。
これがもし、現代日本を舞台にしていたら?
それこそ、クトゥルーライブはこちらでスタートしているので、正しい道から始まったと言えると思う。まずは負担が少ないものから始めた方が良いだろう。そう考えると、我々がいかにクレイジーで、中世ファンタジー好きがいかに極まっているかがよく分かる。
どうか、立ち上げることを恐れないで欲しい。立ち上げるために何かを知りたいなら、レイムーンLARPを是非頼って欲しい。そう思うのだ。私たちはもともと、日本でLARPゲームをやりたいと同時に、広めたいと願っている。なぜなら!!!
私たちもプレイヤーをやりたいからだー!!!!(ドーン)
苦節3年。1年はカーミニアLARPでプレイヤーができたとはいえ、残り3年はプレイヤーができないままだった。もっと他の世界や他のルールでLARPゲームをしたいのである。であるがゆえに、クトゥルーライブさんが発足した時は狂喜乱舞したものだ。
広める最奥手、最先端はどうしても運営を重きに置くゆえに、自分の団体の中でプレイヤーはやりにくいだろう。それゆえに、最初に関西でLARPゲーム団体を立ち上げる際は、ある程度の覚悟が必要だと思う。
しかし、その一歩が無ければ、関西ではおそらく永遠にLARPゲームが拓かれる未来は無い───そこで立ち上がったのが四国地方香川県のダンデリオンLARPだった。彼らは臆せず、突き進んだのである。そして今、新たな芽吹きが産まれようとしているのだ。
もっともっと、多くの方に取り組んでほしい。関西で初のLARPゲーム団体が発足することを、もちろん関東でもLARPゲーム団体がもっと増えることを、私たちは切望している。
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