第8話 日本人は絶対思い付かない「LARP」

 先日、こんなことがあった。

 レイムーンLARPとして、とある交流会に参加した時の話だ。


 私たちはLARPゲーム時の衣装を敢えて着て臨んでみたのだが、とにかくLARPという単語と、ゲームと言う単語、鎧を着た衣装から、他の参加者たちは私たちがどのような事をしているのか、想像が出来ない。

 それ自体は、まだ知名度が低いのだから、仕方がないと思う。ただ───


「あの、どういうゲームをするんでしょうか!?」

「この剣を使って、戦うんですよ」

「えっ。ど、どういうことですか??」


 ここから先に進まなかった方が結構多かった。もちろん、知名度が低いのだし、まだまだメディアに露出したのも少しだから、想像力が働かないのも無理はない。

 しかし、皆揃って共通した反応だったのは、「チャンバラで戦うんですよ」と話した後だ。


「えー!! やっぱりそうなんですかー!?」

「そ、それを振り回すんですか!」


 大の大人が、チャンバラで戦い、演劇のように台詞を言いながら本当に冒険をしていくということが、本当に想像できないのである。少し想像できた方も、「まさか」と自分でその考えを打ち消してしまっていたという。


 私たちこそ、毎月ゲームを3年間もしていてちょっぴり麻痺していたのだが、この感覚はそういえば、ついぞ忘れていたように思う。確かに、著者ですら、それを聞いたときは半信半疑だったことを良く覚えている。


「想像通りかな、いやいやそんな贅沢なことが……」


 と思っていたら、本当にその通りだったので、狂喜乱舞したものである。それほど、日本人に馴染みが無く、新しい遊びなんだなあと思うほどに、LARP、そしてLARPゲームは本当に日本ではまだ芽吹いたばかりなのだ。


 LARPゲームは贅沢な遊びだ。

 レイムーンLARPは大体小道具も大道具も見立てでやってはいるが、運営側のスタッフ(というかNPC)はかなり多いし、複数人いないと出来ないことも多い(ゲームによるが)。だからこそ、ここが大掛かりになったりしたら、どれだけ没入感が増すのだろう? と、ドキドキしたりもする。


 もっともっと、LARPという単語を聞いたら色んなことを連想してしまうくらい、想像力豊かになれる人がもっと現れてしまうくらい、LARPゲームの知名度が上がってほしい。切に切に、そう思うのである。 

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