第367話 足を大切にしよう

「ウオオオオォォォォォ!狩りの時間じゃーーーーッ!!」


 引籠っていた陳宮であったが、彼は気晴らしのために秋の山野を従者を連れて狩り歩いていた。


 嫌なことを忘れ、何も考えず、ただ動物を狩る。


 その予定だったのだが、ここで予定外の出来事が起きた。


 カサカサカサカサカサ・・・・・・


 と、突然、草むらに人影が映った。


「むっ!? 何者だ!!」


 陳宮はすぐに人影に目をやった。

 彼が見るに、人影の正体は旅姿をした一人の男であった。

 そして、その男は陳宮の顔を見ると、


「あわわわわっ!!」


 と、慌てて逃げ出してしまった。


「え?はっ?・・・・・・ってちょっと待て!フリーズ!」


 小首を傾げた陳宮であったが、瞬間的に何かを察して、弓を構えて逃げる男を狙い澄ました。


「ターゲットロック・・・ファイア!!」


 ピュン!という音と共に矢が放たれる。


 ギャンギャンギャンギャンギャーーーン!!


 と、矢はプロ〇ルファー猿のショットのように宙を進み、見事、男の脚に突き刺さった。


「ぐわぁぁぁぁぁ!膝に矢を受けてしまった!!」


「膝に矢が!膝に矢が!膝に矢が!膝に矢が!」


「膝に矢を受けてしまったぁぁぁぁぁぁ!!」


 叫び声を上げ、野にのたうちまわっている旅姿男に、陳宮の下僕の一人が飛び掛かって行く。

 さらに、陳宮自身も弓を捨て、猛烈に駆けて行き、男に飛び掛かった。


「動くな!暴れるな!こやつを縄で縛り上げろ!!」


 陳宮一味は猛烈に反抗する男を召捕らえると、徐州城へと連れて行き、男を拷問にかけたのであった。

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