第302話 何事も早い方が良い

『引き伸ばしのために次話に続きます!』


 前話の最後の方で書いたこの言葉を見て、「このネタ一度やったよね?・・・ネタ切れ?」と思った読者の皆様・・・甘いですぞ( ゜д゜)、ペッ


 なぜこのネタを再び書いたのかと言いますと、この後の陳宮の答えと関係があるからです。


 百聞は一見にしかず。


 ではでは、前話からの続きをご覧ください。



「――――じゃあいつだよ!俺に一体どうしろというのだ!!」


「事は家庭のご内情でも、将軍クラスになりますと天下の事情となります。将軍は常に天下の風雲を眺めて事に当たるべきでしょう。」


「・・・それで?」


驍勇ぎょうゆう(=強く勇ましいこと)並ぶ者なき将軍と国に伝わる玉璽を所有する袁術。この二人が姻戚いんせきとして結ばれると聞いたら、天下の諸侯はどう思うでしょうか?」


「あっ!?」


 呂布は陳宮の言いたいことが分かった。

 時間が経てば経つほど噂は広まる。

 袁家との縁談の噂が広まれば、嫉視しっしする敵国が現れるのは明白であった。

 そうならないように陳宮は彼を諌めているのであった。


「なるほど・・・では・・・」


「将軍の察した通りにございます。万全を図るのであれば、吉日を選ばず、疾風迅雷、ご息女を袁家の寿春じゅしゅんまでお送りしてしまうのです。吉日を選んで事を引き伸ばせば、諸侯が事を嗅ぎつけ、花嫁強奪を企てるやもしれませぬ。」


「それはいかん!引き伸ばし禁止!NG大賞確定だ!!」


「ではでは、早速、縁談の準備に取り掛かりましょう。」


「うむ!・・・と言いたいところだが、ちょっとばかり遅かったな。」


 呂布は頭を掻いて、自分を諌めた陳宮に申し訳なさそうに言った。


「袁術からの使者であった韓胤は、もう帰国してしまったのだ。もう少し早ければ・・・」


 彼がそう言うと、陳宮は、


「その件はご安心を。今朝、韓胤殿の旅館を訪問し、彼とは内談しておきましたので。」


 と、笑みを浮かべて答えた。


「・・・俺に内緒で勝手に話を進めたのか?」


「はい。心配でなりませんでしたから。」


「・・・どういう話をしたのか?」


「それは↓の通りです。」



ぶっちゃけ、今回の縁談は劉備の首が目的ですよね?

花嫁とか二の次ですよね?

違います?間違えてます?

・・・ああ、やっぱり合ってます!

ですよね!ですよね!劉備の首が第一ですよね!!

可愛い花嫁なんて、大事の前では二の次ですよね!!

ははははは!やっぱりそうでしたか!!

・・・えっ?もう少し小さな声でお願いします?

ああ、そうですね。興奮して声が大きくなってしまいました。すみません。

しかし、だとしたら、お輿入れは吉日を選ばず、直ぐに行いましょう。

世間に噂が広まると、敵が阻止してくるに違いありませんので。

・・・ええ、はい、その通りです。分かって下さってなによりです。

では、袁術殿によろしくお願いします。

ごきげんよう。チャオ。



「――――韓胤は俺に何も言わなかったぞ?」


「それはそうでしょう。政略結婚だとはバレバレでも、それを明らかに言ってくる使者はおりませんからな。」


「う~む・・・。」


 陳宮はこう言ったら呂布が考え直すかと思ったが、彼の心は娘を袁家に嫁がせることに奪われていた。


「・・・では、日取りは早い方が良いのだな?」


「先ほど申した通りにございます。」


「うむ。・・・なにやら馬鹿に忙しくなってきたぞ。」


 陳宮との話を終えた呂布は後閣へと再度赴き、厳氏を言いくるめると、その日の内に、輿入れの準備を始めたのであった。



 皆様も物事を引き伸ばす時は、伸ばして良いか悪いかを見極めるようにしましょう。

 納得した人は続きをどうぞ。

 出来ない人は異世界へどうぞ。

 ちなみに、このネタは使い続けます。(断言)

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