第226話 悪徳政治はご勘弁

 場面変換ばかりで申し訳ないが、またしても場面変換させてもらう。


 今度の舞台は『長安』である。


 曹操と呂布が戦をしている間に長安の中央政府が再び乱れ始めたのだ。


 今、長安の実権を握っている人物は2人いる。

 董卓軍の残党将、『李傕りかく』と『郭汜かくし』である。

 呂布が大権を得ることが出来ず、上記の二将軍が大権を得た経緯は百八十二話を参照にしてもらいたい。・・・2度書くのが面倒なので。


 ともかく、天下の政治を動かしているのはこの二将軍なのだが・・・この2人、今、非常に仲が悪いのだ。

 そのことも相まって、長安の都は大混乱に陥っているのである。



 李傕と郭汜の2人は悪徳将軍であった。

 董卓にも負けず劣らずの悪政を行い、私腹を肥やしていた。

 その悪政に加えてイナゴによる大飢饉。

 人々は飢えと苦しみの生活を強いられていた。

 しかし、李傕と郭汜の両名はそんなことを一切気にしなかった。

 彼らの胸の内にあるのは自分の事だけ。

 民のことなど二の次であった。


 人間の悪意は底が知れない。


 次第に2人はこう思うようになっていった。


「「自分一人で天下を動かしたい!」」


 李傕は郭汜が、郭汜は李傕が邪魔な存在になっていた。

 そんな折、献帝けんていの臣下である大尉『楊彪ようひょう』が悪政を布く2人を成敗するため、2人の仲を裂く一計を案じた。

 この計略の内容は省略させて頂くが、この計略により2人の仲は最悪となった。


 互いが互いを憎み、その憎しみは長安の都を覆い尽くした。


 楊彪の企みは成功したのだが、これにより帝や民たちにも被害が及ぶ結果になってしまったのだ。


 楊彪は後悔したが、時すでに遅し。


 長安では李傕と郭汜が血みどろの戦いを繰り広げているのであった。


 ※楊彪の計略が気になる人は本小説の元ネタをお読みください。

  手を抜いて申し訳ございませんが、全てを書くのはつらかです(´;ω;`)

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