第八章 狂狼の愛
第147話 偉い人には逆らわないこと
「孫堅が死んだ!死んだ!死んだ!死んだ!死んだーーーー!!」という報は長安の都にいる董卓の耳にも届いた。
城の広間にて、報を耳にした董卓は手を叩いて狂喜していた。
「ふふふ・・・ははは・・・うわっははははは!孫堅の奴死んでやんの!あはははは!gばおうtあほつあ!!」
董卓は笑いが止まらなかった。
先の袁紹と公孫瓚の磐河の戦い。
今回の孫堅と劉表の襄陽の戦い。
二つの大きな戦は、いずれも反董卓連合に参加していた者同士が引き起こしたモノであったからだ。
「わしを殺そうとした者同士が殺し合っておる!何というマヌケどもだ!皆もそう思うであろう!!」
「「はいーーー!!そう思いますぅーーーー!あははははは!!(ガクガクブルブル!)」」
董卓を囲む
とても笑えるような内容ではないのだが、彼らは笑わなくてはならないのだ。
董卓の顔色を窺い、彼の前ではイエスマンでなくてはならないのだ。
もし董卓に逆らおうものなら有無を言わさず殺される。誰であろうとだ。
董卓はそれほどまでの権力を身に付けているのだ。
董卓が長安に都を移してから、この町は大いに栄えた。
それに合わせて董卓の位も上がっていき、以前は『
董卓の権力の前では天子の権力も霞むほどであり、彼は親族を重要な役職に当て、その権力を絶対のものにしていた。
絶対的な権力を得た董卓は、長安より百数里離れた郊外にある『
それは王城をはるかにしのぐ豪華絢爛な城であった。
城内の建物は
この郿塢城より月に一度か二度、長安へと出仕するのだが、その道中は民の手で綺麗に整備されており、彼が通るときは水煙も断つ有様であった。
この威勢にだれも逆らうことが出来ず、董卓は傍若無人の栄華を極めていたのであった。
「「あははははははははははははははは!・・・・・・」」
(・・・スッ)
((ピタリッ!))
董卓の手で制する動きに合わせて百官たちは笑うのを止めた。
笑い声で溢れていた広間が一変して、静寂の広間へと様相を変える。
静まり返る広間にて、董卓は百官たちに、とある提案をする。
「孫堅が死んだことはとてもめでたい。この吉報を祝して大宴会を開こうと思うのだが・・・皆はどう思う?」
「「賛成です!我々一同賛成です!ワーワー!ドードー!ピーピー!パフパフーン!・・・・・・」」
(・・・スッ)
((ピタリッ!))
「よろしい!では今夜、朝廷の
「「もちろんです、董卓様!我々一同!心より楽しみにしております!あははははは!・・・・・・」」
(・・・スッ)
((ピタリッ!))
「うむ、よろしい。では後ほど宴楽台にて。」
よく訓練された百官たちに見送られて、董卓はその場を後にしたのであった。
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