第120話 詐欺師には気を付けよう
(わ、私はなんてことをしてしまったんだ。・・・耿武よ。すまぬ。)
袁紹を冀州に迎え入れたことを、韓馥は酷く後悔していた。
袁紹は冀州に入るや否や、すぐに行政改革を行った。
自身が行政を執り、自分の家臣を重要な地位へつかせた。
これにより、韓馥は存在価値を失い、彼はただのカカシとなってしまった。
(あの時、耿武の言うことを聞いていれば・・・こんなことにはならなかったのに。)
後悔先に立たず。
ただのカカシと成り果てた韓馥は、
こうして、袁紹は冀州略奪に成功したのであった。
※読者の皆様も詐欺師には気を付けてください。
承知した人は続きをどうぞ。承知しなかった人は異世界にでも転生して下さい。
一方こちらは公孫瓚陣営。
袁紹の策に一杯食わされたことなど露知らず、公孫瓚は袁紹の行動に困惑していた。
袁紹の行動を理解できない彼は、弟の『
「・・・密約はどうなったのだ?冀州を山分けする約束であっただろう?そのために我々は軍を率いて此処まで来たのだぞ。」
「その通りです。・・・兄上。ここで討論をしていても彼の真意は掴めません。こうなれば私が使者として冀州に赴き、彼に密約の件を問いただしてきましょう。」
「うむ、そうしてくれ。・・・くれぐれも気を付けるのだぞ。」
「わかっております。では行ってまいります。」
そう言って公孫越は、馬にまたがり、1人、袁紹のいる冀州へと向かったのであった。
冀州へ着いた公孫越は袁紹のいる城に赴き、手厚い歓迎を受けた後に、袁紹に密約の件について問いかけた。
「あの~・・・申し訳ないんですけど・・・冀州山分けの件はどうなったんですかね?」
「ハハハ。ご安心召されよ。その件は承知しておる。しかし、この件は重大な問題であるので、公孫瓚殿と直接お話がしたい。申し訳ないが、公孫瓚殿に私の陣営に来て下さるように伝えて下さらぬか?」
「わかりました。しかとお伝えいたします。」
「うむ。よろしく頼みますぞ。」
袁紹からの頼みを聞いた公孫越は満足顔で公孫瓚の陣へ戻ろうとしていた。
(やっべ~気持ち悪い。酒を飲み過ぎた。・・・にしても袁紹殿は話の分かる良い人物だったな~。)
袁紹からの手厚い歓迎を受けた公孫越は酒を飲み過ぎていて、へべれけ状態となっていた。
もし彼が普段のシャンとした状態だったら、これから起こる『袁紹の仕掛けた罠』を回避できたかもしれない。
でも残念。彼は罠を回避できずに、彼の冒険はここで終わることになってしまうのだ。
馬の背に乗り、ゆらゆらと揺れる景色を楽しむ彼に、森林から矢の雨が飛んできた。
そして、
「あっ!っと言う間にやられた~!!」
と、矢の雨を浴びた公孫越は断末魔を叫びながら絶命したのであった。
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