第116話 略奪はしないこと

 劉備ら3兄弟が洛陽を去ったその後。

 諸侯たちは「バイバイ!お疲れ!チャオ!!」と次々と洛陽を去り、自国へと帰って行った。

 そして、総大将の袁紹も同様に、兵をまとめて帰国しようとしていた。

 しかし・・・


「なにっ?兵糧が足りんだと?」


「はい。全然足りません。このままでは道中で兵糧が全てなくなってしまいます。」


「配給量を減らしてもダメなのか?」


「ダメです。論外です。無駄です。チンです。」


「むむむ。それはいかんな。」


 河内郡かだいぐんへと大軍を進めた袁紹であったが、大軍ゆえに兵糧が窮してしまっていた。

 この事態に兵糧担当者は幾度となく袁紹と相談したが、打開策はさっぱりでなかった。


(マズイ・・・非常にマズイぞ・・・どうすっぺ?)


 兵糧が少なくなると飢えだけでなく他の問題も発生してしまう。

 その中で何より恐ろしいのが兵たちの略奪である。

 袁紹軍の兵が略奪行為をしたとなれば、袁紹の名声にキズがつく。

 それだけは避けなければと、袁紹は会議幕舎にて頭を抱えていた。


 この事態に袁紹が頭を抱えていると、家臣からこういう提案が上がった。


「殿。ここは一つ、冀州きしゅうの太守『韓馥かんふく』に事情を話して、兵糧を借りるのは如何でしょうか?」


「・・・なるほど。それは良い提案であるな。では、一筆したためるとしよう。」


 家臣の提案をのみ、書状を書こうとする袁紹を1人の武将が制した。

 制したのは『逢紀ほうき』という武将で、彼は袁紹にこう進言した。


「袁紹様!書状を書くことはお止め下さい!袁紹様ともあろうお方が物乞いみたいなことをするなんてダメです!NOです!!」


「むっ!? 逢紀か。・・・ならばどうすればよいのだ?何か策があるのであろうな?」


 袁紹は書状を書くのを制した逢紀を睨みつけ、彼に策の有無を尋ねた。

 すると彼は邪悪な笑みを浮かべて、自身が考えた打開策を発表した。


「袁紹様。物乞いは止めて冀州を略奪するのです。それがベストです。」


「なにっ!略奪せよと!!お主、何をいっておるのだ!!!」


 兵たちが略奪をしないようにする方法を話し合う会議にて、略奪を提案した逢紀。

 彼の真意とは一体何ぞや!!

 何ぞや!何ぞや!何ぞや!ってなわけで次回に続く!!

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