第113話 罵り合いはみっともない
「「ちょちょちょちょちょちょっと!まっまっまっまっまって下さい!おちおちおちおち落ち着いて!!」」
剣を抜き、殺気立つ袁紹と孫堅を止めるべく、諸侯一同は2人の間に割って入った。
「ここで2人が争ってどうするのですか!!」
「そうですとも!我々は董卓討伐のために集まった仲間ですぞ!仲間同士で争い、このことが世間に知られたらどうするのですか!民からの信用は失墜しますぞ!!」
「その通りです!しかも、それだけではありません。長安へ逃げのびた董卓は「それ見たことか!このボケナスどもめ!!」と笑うに違いありません。そんなことされたら恥も恥。天下に居場所はなくなりますぞ!!」
諸侯一同が力ずくで2人を抑え、仲裁を図るも2人の怒りは収まらない。
袁紹・孫堅「「わかってる!わかってる!でも・・・」」
袁紹「でもこやつが~!こやつが玉璽を利用して謀反をしようとしてるから~!」
孫堅「でもコイツが~!コイツが私を疑ってるから~!」
袁紹・孫堅「「コイツのせいだ~!!」」
指をさしながら互いを罵りあう2人を見て、皆がため息を吐く。
「袁紹殿、袁紹殿。落ち着いて下され。孫堅殿があれほど知らぬ存ぜぬと身の潔白を訴えておりますので、ここはどうか一つ引いて下され。」
「そうです。総大将たる者。立場をわきまえ、自重して下され。」
諸侯一同の必死の説得により、袁紹は少し気が落ち着いたのか、剣を収め、孫堅に最終警告を発した。
「孫堅!玉璽を盗んでいないという証をどうやって立てて見せるか!!」
「私は漢室の忠臣!謀反など起こすはずもなかろう!この私の男の魂に誓う!!」
孫堅の絶叫に袁紹および諸侯一同は「あれは本当に知らんのだな。」と、これ以上彼を追及するのを止めようとした。
「ぬぬぬ!もうよい!孫堅!さっさとこの場から立ち去れ!!」
「言われんでも去ってやるわ!このバーカ、バーカ!!」
そう言って、孫堅は袁紹の陣から立ち去り、自陣へと帰って行ったのであった。
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