ネコジタ

 温かいミルクを飲みたいと思った猫は、科学者のご主人に自分の舌を鋼鉄製に改造してもらった。

 鋼鉄の舌はミルクの熱さをものともしないが、同時に猫から味覚をも奪ってしまった。

 それからやけになって改造を重ね、全身機械と化した猫は、もうミルクを欲することはない。

 ご主人が頭を撫でる。その温かい手のひらの感触も、もはや思い出せなくなってしまった。

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