名前牧場

 牧場の中を、流空るーく心桜ここあなどのさまざまな名前が駆け回っている。


「最近はこうして餌をやらないとね、すぐ脱走しちゃうんですよ」


 そう言いながら、牧場主は50音の振り仮名をざらざらと撒いていく。

 奥の方では絶滅危惧種と書かれた柵の中に、つがいの太郎と花子がひっそりと入っていた。


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