無の境地

 以前(※執筆時)上原さんがツイッターで天才プログラマの話をリツイートしていて、その流れでスマホで執筆は出来ないなってつぶやきをされておりました。何故出来ないのかと言うと、文字入力に手間取ってしまうからなのだとか。

 このつぶやきを読んだ時、私もそれに共感したんですよねぇ。


 その天才プログラマがどう言う特殊能力を持っているのかと言えば、PCの前に座ってしまえば後は勝手にプログラムが出来上がっていると。熟練の粋に達していますよね。どう言う事なのかと言うと、その仕事モードにすっと入れば、ほぼ無意識の内に最善の行動をしてしまえると言う事なんです。


 この話の例は特殊だとしても、何でもそれに慣れてしまうと無意識に出来ますよね。例えば車の運転だとか、単純作業だとか。一度体が覚えてしまうと、これをしようあれをしようと思わなくても体が先に動いています。そうして、気が付くとそれをし終えているのですよね。


 これを執筆作業に置き換えると、頭に浮かんだイメージを無意識に文字変換して入力しちゃえる境地まで行けば、小説執筆は自動的に出来上がる作業になると言う事。少なくともプロはそう言う境地に至っているはずです。だから西尾維新先生とかは一日2万文字書けるのではないでしょうか。


 スマホ入力で執筆が出来る人は、フリック入力が無意識レベルで出来る人なんだと思うんです。ぼくにはとてもできない。私はキーボート派なのですが、入力はとても下手っぴです。打ち間違いをして、本来どう入力したかったかをたまに忘れるほどです(汗)。だから中々執筆スピードが上がらないのですよねぇ。いやはや。


 話を元に戻しましてですね、無意識ですよ。これってとても大事な事だと思います。口述筆記って方法があるでしょう? 本人はただ思いついた事を喋るだけで、書き取る人が速記で書き取るスタイル。アレを1人でやっているような感じでしょうか。

 喋るのに人は意識しませんもんね。あってどう喋るんだっけとか、ないですもん。と言った感じで、口で喋る代わりに文字入力しちゃう。となると、まずは入力技術を極めねばですのう。


 まずは無の境地で書きなぐって、後で細かく直していく。書き始める前にしっかりイメージを強く構築していく。って言うか、天才ならば何も考えなくてもスラスラと素晴らしい物語が紡がれていくものなのかも知れません。うーん、すごい世界ですな。


 そう言う意味で言えば、やはり創作者は巫女なんですよ。イタコなんですよ。シャーマンなんですよ。無から有を生み出す。それが何かのオマージュとかだったとしても。

 つまり、心の宇宙と現実の宇宙がシンクロして新しい情報をダウンロードしているんです。その正体は見えない小人さん達なのかも知れませんけどね。


 私も無意識に執筆出来るようになりたいものです。そのためには入力精度をまずはぐんと上達させないといけませんナ。今は心の声に全く追いついていませんからねぇ。むうう……。

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