ストレスフリーな作品って後味もスッキリだよね

 少し前にツイッターで話題になった言葉に物語のトンネルと言う言葉があります。苦難の果てに成功体験があると言う話。物語の構成としては昔からある展開のひとつですよね。トンネルを通らないと新しい景色は見られない、壁を超えないと強くなれない。この苦難が苦手な人が増えているらしいのです、最近。


 創作物の無菌化とでも言うのですかねぇ。そう言う人が増えたからストレスフリーな作品がヒットしているのかも知れません。

 ノンストレスな作品を好む人は現実世界での生活がストレス過多なので、物語の中だけでものんびりと平和で優しい世界を望んでいると言う分析をしている人がいました。


 確かに自分の望んだ展開しかしない作品は心を慰めてくれますよね。ただし、そう言う作品はそう言う目的に特化していて、楽しんだ後には何も残らない気がするのです。後味スッキリの清涼飲料水。読んだ後は満足するけど、何も残らないからまた同じ世界を求める。

 そうして、また読んでいる間だけ幸福感に満たされる。


 スナック菓子みたいなものですよね。食べている間は美味しいけれど、あんまり栄養がないって言うか。読む価値は人それぞれではあると思いますけど、ストレスフリーの作品ってその作品じゃなきゃダメって言う要素があんまりない気がします。

 私、少し穿った見方をしているでしょうか。


 勿論そう言う作品も求めている人にとってはとても大事なものに違いありません。ただ、そう言う作品しか楽しめなくなったら少し淋しい気がすると言うだけです。

 せめてハッピーエンドが約束されている作品くらいは、その暗いトンネルにも挑戦してみて欲しいなあ。

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