創作って結構パズル
皆さん、今日も楽しく創作されていますか? 物語を紡ぐと言うのは新しい世界を創出する事であり、楽しくも難しいものですよね。ただ書くだけならいざ知らず、そこに面白さを加味しようとすると作者のセンスを問われる事となります。
見方を変えれば、物語を読まれる事で読者に試されている訳ですよこれ。読書って作者と読者の読み合い読まれ合いになるんですね。だから作者はちっとも油断出来ません。隙のない物語を作る事、上を目指すならそこを目指す事に自然となっていく事になるのでしょう。
さて、物語と言うのは色んな要素が複雑に組み合わさっていて、同じ出来事を描写するにしても、表現としては様々なパターンが考えられる訳ですよ。恋愛をメインに持っていきたい作者は恋愛要素を多目に詳しく描写するでしょうし、戦闘を見せたければ戦闘を、政治の駆け引きを見せたければ駆け引きをと、何を主軸に持ってくるかで物語の印象はガラリと変わります。変わるはずです。
全てその場のノリで終わらせてしまうのもありだとは思いますけど、一度通して物語の流れを大雑把に考えた後に、見せたい要素をより強調させるためにこの要素は削ってこっちの要素をより詳しく描写、インパクトが弱いから新しいエピソードを追加、クライマックスをより感動させるために序盤に伏線を組み込むなど、色々と調整して完成度を高める、そう言う作業をするのもありですよね。
作劇をする時にまず物語を最後まで構想しようとよく言われるのは、エタらないためでもありますけど、大まかな形を作ってしまえば、全体を通して物語を俯瞰する事で様々な調整が出来る様になるからではないかと思います。全体的に出来上がっているからこそ、歪な部分をなくし、強調したい部分をより印象付ける事が出来ます。
例えば、最初の構想で終盤にどんでん返し的な展開が後付で出てしまっても、執筆前ならその伏線を物語序盤に仕込めます。そうすれば展開の不自然さはなくなりますよね。
恋愛要素を序盤に持ってきて後半は人間ドラマを展開させようとか、最初に物語後編で描かれるはずの戦闘シーンを持ってきてその後は過去編を描こうとか、エピソードをブロック単位であっちに動かしたりこっちに動かしたりして最適解を探す。演出がピッタリハマった爽快感は格別なものがあるのではないでしょうか。作者冥利に尽きますよね。
そう、創作って結構パズルなんですよ。きっと今まで描いてきた不人気な物語も構成を練り直せばもしかしたら大ヒット作品になるのかも! などと思ったりする事もあります。コンセプトは悪くないはず! 見せ方が悪かっただけなんだ! みたいな……。
そんな感じで執筆って試行錯誤の連続ですよね。センスを磨いてより読まれる物語を目指していきたいと思います。
あ、でも、昔からパズルゲームは苦手だったなぁ……(遠い目)。
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