10万文字は長編?

 物語が長編かそうでないか、コンテストとかの場合、最低文字数が10万文字と言われてますよね。近況ノート等を読んでいると、この文字数がある種のハードルとなっている人が多いようです。

 何故ハードルになっているのか自分なりに考えてみますと、エピソードが不足しているからだと思われます。


 そりゃあコンテスト用に書くとしたら無駄なエピソードは省いた方がいいでしょう。なのでコンテスト用の作品はまた別の方法を取った方がいいと思いますが、まずは長編に慣れる事、長編が書けるようになる事が大事じゃないかなと思います。書けない人はそう言う思考が癖になっていると思われるからです。


 ではどうやって長編を書けるようにするか、それは別に難しい事ではありません。単純にどんどんエピソードをぶち込めばいいんです。長期連載漫画とか4クールアニメとかを参考に、そのキャラに色んなエピソードを体験させる。それだけで長編は書けるようになっていると思います。


 1エピソード辺り3000文字で進む物語であれば、34話あれば10万文字は達成できます。季節のイベントや行事や病気や怪我のトラブル、主人公のピンチに一発逆転、キャラごとの過去編等の掘り下げ回、物語がマンネリ化してきた時の新キャラの投入……思いつく限りのエピソードをどんどん投入していけば10万文字なんていつの間にか届いている事でしょう。


 漫画の描き方講座等ではまず100エピソードを思いつくべし、とか書かれていたりします。この方法、小説でも同様ではないでしょうか? 100エピソードも思いつけば1話1000文字だとしても10万文字に届きます。

 最初の内はそんなに思いつけないとは思いますけど、キャラクターに色々な体験をさせようと考えていれば、やがては結構なエピソードを思いつけるようになっているのではないかと思います。


 ある程度の文字数を稼ぐものの10万文字に届かない作品って、エピソードが少ないんですよね。何が大きな出来事があってそれを解決して終わり。中にはそれだけのエピソードで10万文字を超える密度の濃い話を描写する人もいますけど……。

 5万文字以上の作品が書ける人なら、それが一番見せたいエピソードだとして、そこに後少しエピソードを足せば10万文字はすぐに達成出来る事でしょう。無駄を楽しむ余裕を持てばいいんです。


 慣れていないと簡単ではないかも知れません。だから少しずつ慣れていけばいいと思います。万里の道も一歩からです。私もすぐに長編は書けませんでした。きっと次々にエピソードを追加出来るようになると10万文字なんてちっとも長編ではなくなっていると思います。


 10万文字以上が普通に書けるようになれば、そこから無駄エピソードを省いてテーマ性を濃くする書き方に移っていいかも知れません。そうなれば自ずとコンテスト用の作品も書けるようになるのではないかと思います。


 多くの人が10万文字を壁と感じる事がなくなっていって欲しいと思います。その為にはやっぱり挑戦です。昨日の自分より少しだけ余分に頑張る。出来る事を増やしていく。自分を変える事が出来るのは自分しかいないのですから。

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