カクヨムの鳥
カクヨムのマスコットと言えばあの鳥ですよね。最近カクヨムを知った人は知らないと思いますが、あの鳥、サイトの立ち上げ当時には存在しなかったんですよ。
そもそも、この鳥の存在自体、異質なものです。2016年の年末、いきなりサイトのお知らせのイラストで初登場。最初は何気ないカットイラストかと思われていました。その初登場以降、今に至るまで特に大々的なお披露目はされていないんです。
おかしくないですか? 普通、サイトのマスコットと言えば、初登場時にお披露目をして、これからよろしくね! と、大々的にプッシュするものです。名前が決まっていないならここで詳細なプロフィールの披露と共にネーミング募集とかするものです。それが普通です。例えばつい最近おやつカンパニーの新マスコットがネーミング募集していたのを覚えている方も多いと思います。
カクヨムの鳥はまるでなし崩し的にマスコットの座についた雰囲気です。こんなマスコットってアリでしょうか? 去年末に初登場して未だに名前がないんですよ(※執筆時)。名前をつける気がそもそもない。プッシュする雰囲気がないんです。カクヨム放送局で話題になっても、ぬいぐるみ化されても、お礼図書カードの絵柄になっても……。
天下の角川がどうしてこんな売り込み方を? と、私以外でも思っている方がいるのではないでしょうか?
さて、マスコットのいる小説投稿サイトはカクヨムだけではありません。ここではカクヨムとは正反対に詳細な設定を盛り込みサイト全体でプッシュしているノベラボを紹介したいと思います。
ノベラボは、出版社ディスカヴァーが運営する小説投稿サービスです。サイトのオープンは2015年の6月15日。カクヨムよりちょっとだけ先輩です。このサイトにはマスコットキャラがいます。
サイトのトップ画面を見れば分かると思いますが、可愛い美少女キャラが利用者を出迎えてくれます。彼女がマスコット、ノベルアイドルの「文野はじめ」です。
彼女の登場はサイトの設立より早いので、元々あったキャラをサイトのマスコットにしたと言う形のようですね。ノベラボだけのマスコットではないのかも。デイズカヴァー全体のマスコットなのかな? 詳しくは知りません。
美少女キャラだけあってCVまで設定されているという徹底ぶり。アイドルなので歌って踊るPVも公開されています。マスコットとしてもかなり凝っている部類じゃあないでしょうか。
カクヨムもこの路線で行く事も出来たはずです。何せ天下のKADOAKWAなのですから。
でもそうはしなかった。カクヨムの鳥はひっそりと誕生して、いつの間にか公認された形になっています。これはこれで何か狙いがあってそうしたのでしょう。
まず美少女キャラをマスコットにすると、そう言うのを嫌う人が嫌悪感を持ってしまいます。好きな人は集まるでしょうけど、万人に受けるサイトを目指すとすると露骨なのは避けた方がいいですよね。運営がそう考えたかどうかは分かりませんけど。
可愛い動物キャラがマスコットと言うのはそう言う意味で無難です。カクヨムの鳥を見て可愛いと気に入る人はいても嫌う人はまずいないと思います。
しかしこのプッシュしなさっぷりは個人的に勿体無い気がします。もっと色々活躍してもいいのに。プロフィール的なものもなーんにもないんですよ。作って発表しないのか全く作っていないのかすら分かりません。
設定していたらどこかで発表するでしょうし、作っていないんでしょうね、多分。名前なしもここまで徹底していると言う事は今後もずっと名前はないままなのしょう。設定が何もないからなのか、カクヨムの鳥の紹介ページすらないですし。
カクヨムとノベラボ、出版社が主催する両サイトですが、マスコットに関する考えはまるで両極端ですよね。どちらかと言えばまだノベラボの方が普通のような気がします。
何もかも決めなさすぎのカクヨムの鳥ですが、それが逆に色々想像の余地があっていいのかも知れません。ひっそりと存在しつつ、その存在感は抜群。だからこそ気になると言うね。面白い戦略だなぁ。
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