展開が丁寧なのってあかんの?

 深夜アニメは1クール単位で区切られるために、その話数でいい感じに話を進ませようとして原作の話をカットしまくって、テンポよく話を進ませる傾向にあります。

 これはどんどん話が進むと言う点では利点でもあるのですが、大事なシーンをカットしまくったせいで物語が正しく伝わらないと言う危険性も同時に孕んでいます。


 で、それが顕著になると原作ファンはカットしまくりで怒るし、アニメ組は訳が分からなくて視聴を切ってしまうんですね。カットの多い作品は作品的に失敗ではないのかなと個人的には思うのです。

 勿論様々な事情があるので、一概には言えないのですけどね。


 先日(※執筆時)無事放送が終わったからくりサーカスなんて全43巻の話を無理やり3クールで収めると言う暴挙に出ちゃってます。本来は100話はかけるべき作品なのに。今後、この作品はカットしまくり作品の代名詞になるのではないでしょうか。


 ただ、この作品の場合は原作者が脚本に関わっているので、カットは多いもののダメ作品にまではなっていません。話の取捨選択を間違えなければ、カットしまくりでもそれなりに見られる作品を作る事もまた可能ではないかと思います。


 テンポの早すぎる作品は物語の進行スピードに視聴者が追いつけないんですよね。それでもそれが当たり前の世代にはそれが普通になっている。ジェネレーションギャップを感じます。

 まぁ何が言いたいのかと言うと、テンポの早い作劇に慣れた人は丁寧な描写の作品をテンポが遅いと思いがちになるんです。これがねー、ちょっと寂しくて。


 テンポが遅いと言われているのは毎回丁寧に物語を進めている鬼滅の刃。見る人が見ると分かると思うのですが、決して展開が遅いと言う訳ではありません。原作を出来る限り再現しているだけなんです。


 鬼滅の刃は一話あたり原作の2話分消化と言うスピード。深夜アニメとしてはこれはテンポが遅い部類にはなるのでしょう。1クール終わって4巻程度くらいしか進んでいませんからね。同じジャンプ作品の火ノ丸相撲は2クールで18巻分の話が進みましたが、鬼滅は同じ2クールでも8巻くらいまでの描写になるのではないでしょうか。

 私はこのペースでいいと思うんですよね。単に他の深夜アニメがカットしまくりなんですよ。


 2019年夏アニメのひとつに『ありふれた職業で世界最強』と言う作品があるのですが、原作既読組によると改変が酷いそうです。アニメしか知らない私は主人公の心変わりに置いて行かれましたが、原作では考えが変わるのに一週間苦しんでいたのだとか。アニメはその時間経過の説明がありません。

 素人ながらに、こう言うカットはあかんと思います。アニメしか見ていなかったら主人公が頭のおかしいやつにしか見えませんから(汗)。


 ちょっと話がずれましたけど、丁寧な作風をテンポが遅いって言えてしまうのはちょっと残念だなと思った私なのでした。

 本当にテンポが遅いって言うのは同じシーンを何度も繰り返す国民的アニメなアレとかの事を言うんですよ。とは言え、事情があってああなってはいるのですけどね……。

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