キャロル&チューズデイ

 2019春アニメの中でも一番オサレなのがこの作品です。コンセプトは何者でもなかった女の子2人がスターになる話、なのかな。

 この手のジャンルって最近はアイドルアニメが担っていましたけど、ボヘミアン・ラプソディのヒットの影響からか、その系統の話でいくみたいですね。


 勿論ただの成功物語ではありません。作中の時代は未来ですし、舞台は火星です。とは言え、SF要素はそこまで大きなものではなく、火星ならではのギミックと言うのも今の所はなさそうです。今後は出てくるのかもですが。


 未来の世界の話なので未来っぽいガジェットは当然出てくるのですが、実名のアーティストや楽器が出てきたり、インスタが作中にそのまま出てきたりと現在流行中のものをどんどん出しています。名前が普通に使われている事でも分かる通り、ちゃんと許可を取ってるんです。

 この作品、そう言うリアルさを売りにしているみたいですね。


 時代を未来にした理由のひとつが、AIの浸透した世界と言う部分。AIの作り上げた楽曲に馴染んだ人達に生身の人間の歌声は響くのかと。放送前の動画とかを見るとそれが大きなテーマのひとつになっているように感じます。

 放送序盤では、まだそのAI楽曲の凄さも提示されてはいないのですけど。


 この作品の特徴のひとつに様々な有名アーティスト提供の楽曲と言うのがあります。序盤の放送ではまだそこまで行っていませんけど、今後話が進むに連れ、すごい事になるのだろうなと、そう言う気がしています。


 海外のアーティストが楽曲提供をしているところから分かる通り、この作品を世界を視野に入れています。なので作中で歌われる曲はみんな英語。声優さんは日常パートだけで、歌は歌専用の人が歌っています。マクロス7方式ですね。俺の歌を聴けえっ! 流石にネイティブな英語の歌声は素晴らしいです。

 この歌パートの人がリアルキャロル&チューズディみたいな感じなんですよね。気になった方は公式サイトの動画を見てくださいね。


 監督はカウボーイビバップの渡辺信一郎監督。彼はアニメで海外ドラマっぽい作品を作る第一人者ではないでしょうか。私が監督の作品を初めて意識したマクロスプロスの時からそう言う作風でしたよね。大人っぽいドラマと言うか。今回の作品でもそう言う海外ドラマを意識した作風に合うキャラクターを採用しています。キャラクター原案が 窪之内英策氏なんですよね。


 彼のキャラデザ、最近では日清のCMで採用されていましたけど、本格的なテレビアニメのキャラデザに関わるのは今作が初めてなのではないでしょうか? 私はツルモク独身寮の頃から知っていましたから、氏のキャラがアニメになって毎週見られると言うのが何だか不思議な感じです。


 アーティストを主人公に置いた作品なので演奏描写もまた手抜きは許されませんよね。アイドルアニメなら歌って踊ればいいのですけど、しっかりキャラクターに演奏させなければなりません。この部分をしっかり描くのも結構大変な部分です。

 この作品では実際にアーティストが演奏して、それを動画に撮影したものから画を起こしています。だからとても動きが自然なんですよね。これって昔のディズニーアニメが行っていた作画方法と一緒だなぁ。


 技術的なものもすごくて提供楽曲も本格的で、だからこそ、それを総合的にまとめた物語も魅力的でなければいけないのですが、今の所はいい感じで話が進んでいるように思います。2クール作品ですし、現時点ではまだその片鱗も見せていない感じですが、きっといい作品になるんじゃないでしょうか。そう言う予感はしています。

 今風に言えばナベシン監督を信じろ、って事で。後、品質もボンズなので間違いはないでしょう。


 と言う訳でですね、キャロル&チューズディは今期の私の一推し作品のひとつです。ネットの反響は執筆時の時点ではあまり大きくないのですが、話が乗ってきた頃にはもっと盛り上がっていて欲しいなぁ。

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