ULTRAMAN

 ULTRAMANはウルトラマンの設定をベースにしたIF作品として人気を博している漫画が原作のアニメです。この度ネットフリックス専用作品として制作されました。

 この作品を監督するのはTVアニメの攻殻機動隊などの監督をした神山健治監督と荒牧伸志監督の2人。荒牧監督はCGの専門家的立場のようですね。特撮作品におけるメインの監督と特技監督みたいな役割分担でしょうか? ウルトラマンだけに。


 アニメーション制作はProductionI.GとSOLA DIGITAL ARTS。このSORAと言う会社がCG専門の会社みたいですね。私は今まで知りませんでしたけど、これからどんどん知られるようになるのかも。サイトを覗くと、ブレードランナーのアニメも作っている事からCG以外の作品も作る事はあるみたいです。


 この作品はフル3DCGアニメーションで作られていて、神山監督にとって初めてモーションキャプチャーを用いる作品になるのだとか。

 モーションキャプターアニメと言えば、ゲームのムービで見慣れている人も多いと思います。日本のアニメでは余り見慣れていませんよね。表現は3DCGでも演技はアニメーターがつけているパターンが日本では多い気がします。実際はどうなのかは分かりませんけど。


 このモーションキャプターなのですけどね、ゲームでお馴染みなだけあって、アニメ映像がゲームのムービーに見えてしまうんですよ。流石にバトルシーンは夢中になって見てしまうのでそこまで違和感が仕事をしないのですが、日常シーンとか、特にモブキャラの動きとかすっごくゲームムービーに見えてしまいます。普段ゲームをしない人には違和感もあんまり感じないのかもですけど。


 ただ、ウルトラマンって戦闘はある意味プロレスですから、モーションキャプタームービーは正しい選択とも言えます。最後はスペシウム光線とかの大技で敵を倒しますけど、ギリギリまでは純粋な肉弾戦ですものね。様式美ってやつですなぁ。


 で、肝心のストーリーなのですけど、キャラの動きの違和感を差し引いても実に面白いんですよ。見ていて、あれ? もう終わり? って言うくらいに引き込まれます。原作を知らないからと言うのもあると思いますけど、展開と言うかテンポもいいのでしょうね。


 それと、誰が敵で誰が味方なのかが分からない不穏な伏線が興味を引きつけるのだと思います。表向きの流れは普通に勧善懲悪の物語をなぞっているのですけど、裏の流れが、その見せ方がうまいです。敵の影に味方がいたり、味方の影に敵がいたり……。そのために、この任務は正当なものなのか? と、つい探ってみたくなります。裏事情を見せられた視聴者側だけが気をもむのですけどね。


 作品にはウルトラマンモチーフの主人公だけじゃなく、各ウルトラシリーズ作品の主人公モチーフのキャラが次々に出てきます。それが絶妙なパワーバランスなのですよね。飛び抜けて強くも弱くもない。最初に登場する時は力の差を見せつけるほど強く演出されるのに最後は主人公の引き立て役になると言うね。

 このパターンで言うと、特にセブンが話が進むに連れてどんどん戦闘で役立たずになっていく所が少し淋しかったなあ。最初はあんなに強そうだったのに(汗)。


 話はエースのエピソードが一段落して幕を下ろすのですけど、これ絶対続きをやらないとって感じで終わっています。今後も続いて欲しいシリーズですね。

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