荒野のコトブキ飛行隊

 この作品は監督水島努と脚本横手美智子のガルパンコンビによる完全オリジナル作品です。ガルパンのように人気になるかどうかは分かりませんけど、作品の楽しさはガルパンに負けないものがある……のかな? 私、ガルパン見ていないので比較はちょっと出来ないのですが(汗)。


 戦闘機が出て撃ち合いをする作品なのに、この雰囲気は作品は明るいです。戦争も死の影もありません(※執筆時)。本当に監督が描きたい世界観だけに特化した作品なんだなあと言う気がします。何せとても都合の良い”異世界”が作品の舞台なのですから。


 この作品はタイトルから分かる通り、西部劇の雰囲気でレシプロの戦闘機が撃ち合いをする話です。主人公は戦闘機乗りの用心棒チームに所属しています。このチームが活躍する話なんです。


 作品世界は現実の世界ではなく、ずっと荒野の続く架空の世界。海や川も存在していないのだとか。戦闘機もオーバーテクノロジー扱いで謎の穴から落ちてきた(?)ものなのだそうです。戦闘機などの技術を伝えたこの世界にとっての異世界人はどうやら日本人らしく、その人達は技術を伝えた後、また元の世界に戻っていった設定。この世界の貨幣制度もポンドと銭が混在していてとっても不思議。

 文明レベル的には20世紀前半っぽい感じみたいですね。食事の自販機とかもあるので、厳密に設定している感じでもないのですが。


 この作品の売りは複数の戦闘機によるドッグファイト。映像のこだわりもすごいのですけど、音のこだわりもすごい。詳しい人が見たらもっと興奮するんだろうな。最新の戦闘機ではなく第二次大戦の頃の飛行機なので、アナログ感満載。これ、本当に手に汗握りますよっ。


 もうひとつの特徴は手描きとCGのハイブリッドですね。普通は手描きなら手描き、CGならCGと統一されているものですけど、この作品は混在しているんです。キャラごとの混在ではなく、そのシーンに合わせてCGになったり手描きになったりするんです。最初に見た時はとても新鮮でした。今はもう慣れちゃいましたけど。


 明るい作品と言う事もあって、この作品はキャラが個性豊かでやり取りが楽しいです。コトブキ飛行隊のメンバーもみんな一筋縄ではいかない感じだし、特に大人のキャラの個性が強い。女性議員とか若手男性実業家とか個性強すぎ! 

 こう言うキャラが活躍出来るのもシリアスな話じゃないからこそなのかも。敵対する組織の人々もどこか憎めないし。今後は出てくるんでしょうけど、シリアスなキャラが今のところ出てこない。みんな悪ふざけしているだけみたいで、見ていてとても楽しいです。


 先の読めない話なので、このまま楽しく終わるのか、ラストでドシリアスになるのかは分かりません。だからこそ毎週楽しみに見続けていこうと思います。

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