保安官エヴァンスの嘘 〜DEAD OR LOVE〜

 この作品は週刊少年サンデーの連載中(※執筆時)の作品で、何と舞台は西部開拓時代のアメリカです。そう、西部劇がテーマになっているんですね。これは珍しい。それだけで十分個性になりえます。

 特筆すべきはもう一点、ギャグ漫画だと言う事です。サンデーは駄菓子をテーマにしたギャグ漫画を掲載していたり、結構変化球な作品が載る事も多いですよね。


 この作品のギャグは基本的に勘違い系のギャグに特化しています。タイトルに嘘とあるように、本音を誤魔化してピンチになったりピンチを脱したりする作品なんです。主人公は凄腕の保安官。シリアス作品じゃないのでその強さはチートです。戦えば必ず勝てます。

 なので戦闘でのハラハラ・ドキドキはありません。流れによっては緊迫するシーンもあったりするのですが、安心して楽しめます。主題はそこじゃありませんしね。別の意味でのハラハラ・ドキドキはあるのですが。


 で、エヴァンスはどう言う時に嘘をつくのか。基本的にモテたい時に格好つけるために嘘をつくんですよ。ぶっちゃけて言うとええカッコしいなんです。

 何故彼がそうなったかと言うとこれが父親の教えなんですね。父親は事あるごとに幼い主人公にモテるための秘訣を伝授します。その教えがエヴァンスをええカッコしいの性格にしてしまったんです。


 顔も悪くないし、腕も立つし、普通にしていれば普通にモテるはずのエヴァンスなのですが、その父の教えが邪魔をして未だに恋人が出来ません。

 物語が進むと、そんなエヴァンスに恋心を抱く凄腕の賞金稼ぎが登場します。彼女も腕は確かなのですが素直になれず、エヴァンスとはすれ違ってばかり。


 そう、この作品はラブコメです。実はラブコメだったんですよ。西部劇が舞台のラブコメ! 私はこの作品、ストックが溜まったらアニメ化するんじゃないかなー。なんて思ったりもしています。だがしかしのアニメ化の実績もありますし。


 勘違いで話がややこしくなる作品と言えばゲーマーズがありましたけど、エヴァンスの嘘はあそこまで混戦はしていません。分かりやすーい勘違いトラブルラブコメです。最初読んだ時はどこまでネタが続くんだろうと思っていましたが、その心配も杞憂のようですね。このままずーっと勘違いし続けていて欲しいと思います。


 舞台こそ特殊ですが、絵柄もスッキリとしていて読みやすいですし、面白いですよ。少し変わったラブコメを読みたい方に特にオススメしたいと思います。

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