宇宙よりも遠い場所

 この作品は南極を目指す女子高生達の話です。中々難度の高いテーマなので、物語もフィクション要素の高いものになるのかと思ったら中々にリアル路線でした。

 それも当然です、専門家である国立極地研究所がこの作品に協力しているのですから。他にも海上自衛隊や気象文化センターと言ったところも協力しています。これで一番のキモとなる南極の描写もバッチリですね。


 で、テーマから言ってまるで教育番組みたいな作りなのかなーっと思ったら、普通に面白いアニメとして作られています。ギャグも多いし、キャラの表情も豊かだし。目的は南極に行こうって言うものですけど、それだけではないようですね。基本的には少女達の成長譚のようです。うん、これは親しみやすい。


メインキャラは高校生になったものの、今まで惰性で生きてきて青春らしい青春を送れていない玉木マリ、母親が南極観測隊員だったので南極に人一倍思い入れの深い小淵沢報瀬こぶちざわしらせ、コンビニでバイトをしていて、マリ達の行動に感銘を受けて同行を申し出る三宅日向みやけひなた、北海道在住のタレントで南極観測の仕事を受けた白石結月しらいしゆづきの4人。それぞれのキャラの個性も立っていて、学園青春友情モノとしても楽しめるようになっています。


 物語の一本のラインとして登場人物のひとり、報瀬の行方不明になった母親を探す、と言うのがあるのですが、どう言う決着を着けるのかな。これちょっと気になります。リアル寄りだと死体で見つかる、なんて事もあるでしょうけど、ハートフルストーリーの場合は無事に見つかる路線かも知れません。それか、第3のパターンとして、探したけど見つからなかったと言うのもあるかな。多分無事に見つかるのではないかなーとは思うのですけどね。


 まだ始まったばかりで(※執筆時)主人公達もようやく南極に行く方法を見つけたと言ったところです。物語の進行上も主要キャラが全員揃ったところまでしか進んでいません。これから紆余曲折があって南極に行くと言う流れになるのでしょうけど、そのプロセスを楽しみつつ、擬似的な南極旅行を楽しみたいと思います。

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