　宝石の国は原作の段階でかなり話題になっていましたね。私もアフターヌーンで何度か読んだ事があります。宝石の擬人化と言うのが新鮮で、その美しい絵柄と相まって個性的な作品の集まったアフターン誌上でも異彩を放っていると思います。

　長らくアニメ化は無理だと言われていましたけど、今回見事にアニメ化に成功したと私は思っています。ファンの中にはこのアニメ化も不満に思う人がいるみたいですけど。こう言う問題はどうしても出てきてしまうものなので仕方がないですね。

　何故宝石が人の姿になったのか、てっきりそれはそう言う世界なんだよ！　で押し通しているのかと思っていたら結構設定が凝っていたのですね。原作は数回しか読んだ事がなかったので、アニメでそれを再確認したって感じです。どうやら色々あって海に暮らす生き物と地上で暮らす生き物と月で暮らす生き物に別れたようですな。うーん、奥が深い。

　宝石の擬人化と言う事で宝石のその性質が個性になっているのも面白いですね。名前からして鉱物の名前なので分かりやすいです。とは言え、フォスフォフィライトとか、私はこの作品で初めて名前を知りましたけど。

　全く役立たずだったフォスが色んな出来事を経て、体を別のものと交換しながらなし崩し的に強くなる……努力や根性でのパワーアップでないところは今時風だなあと思ってみたり。初期のポンコツの頃のフォスの性格が好きだったな。

　この作品の一番の特徴はそのキャラの洗練された美しさにあると思います。原作の個性的なその美しさをアニメはＣＧを用いて見事に再現しています。これは素晴らしい。

　後ですね、敵である月人がね、すごく怖いんですよ。ごく一部の強い宝石以外では太刀打ちが出来ない。この怖さの演出も見事です。月人が出てくる度に絶望感を感じましたもの。

　個人的にはこの作品、アニメ化は大成功だと思っています。今回は１クールで終わるっぽいですが、是非とも２期を期待したいところですね。