クジラの子らは砂上に歌う

 第1話を見た時はまた幻想的な作品が始まったなーっと言う印象でした。その印象は敵の存在が出た時にガラガラと音を立てて崩れ去りましたが……(汗)。


 この作品ってネタバレ要素が多くて語るのが難しいんですよね。序盤からどんでん返しが何度もありますから。出来るだけネタバレを回避しながら感想を書きたい私には酷な作品です。


 テーマはどうやら人の心、みたいですね。サイミアって言う超能力っぽい力を主人公達は使えるんですけど、それは感情が元になっているぽいんです。感情の強い人が強いサイミアを使えるようですね。

 作品の中盤から敵が出てくるんですけど、敵は感情を持っていないんです。感情豊かな主人公側と感情のない敵との対比を考えながら見るといいかも知れません。


 最初の舞台は砂の海の上を走るクジラと呼ばれる漂流船が舞台です。船と言っても大きな遺跡みたいな感じで、そこで主人公達は暮らしているんですよね。ここの世界観の表現が素晴らしくて大作感を感じました。どんな物語も大抵最初はそうであるように、序盤はとても平和に穏やかに始まります。


 主人公の立ち位置やクジラでの生活などが十分に語られた後、物語は大きく動き出します。まずは別の船が見つかり、その探索に行った主人公達はそこでヒロインに出会い、船の秘密を知ります。そこから先は怒涛の展開が待っています。平和な物語は仮初めの姿。次々に悲劇が主人公達を襲う展開になります。


 今(※執筆時)は丁度的と戦っているところなのですが、主人公側、むっちゃ不利です。普通に考えて全滅しちゃう雰囲気しか感じません。ここからどう生き延びるのか目が離せない状況です。生き延びますよね? 

 牧歌的に始まった話がこんなギリギリの緊張感あふれる話になるなんて……。


 ちなみにタイトルの『砂上に歌う』の象徴的なシーンは7話で突然出てきました。あるキャラが大規模な戦闘シーンになる直前に優雅に歌い踊ったんです。この歌にも何か特別な意味があるのかな? 

 この時はイメージシーン的な表現でしたけど、タイトルになるくらいだし、何か重要な意味があるといいな。


 悲劇要素の強い作品ですけれど、きっと何かしらの救いはあるものとして見ています。困難に立ち向かう話(内容はかなりハード)の好きな方にはオススメです。

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