前のエピソード――つぐもも

　もはやほぼ説明の必要のない夏目友人帳の新しいシリーズですね。今回もまたいい話ばかりで見終わるとほっこりします。こう言う作品がなぜ深夜アニメなのだろうと思う事もあるのですが、深夜以外の時間だと深夜の放送ペースみたいにゆっくりと放送出来ない事を考えると、案外深夜のゆっくり放送ペースにこの作品は合ってるのかも知れません。１クール放送して間を空けてまた１クールって言う放送ペースが。

　この陸では今のところまだ一度も妖怪に名前を返していません。後１話っぽいので最後まで名前を返さないシリーズになるのかも。それはそれでいいのですけどね。

　人と妖怪の切ないエピソード、友人達と夏目の最初の出会い。このシリーズでも描かれるのは絆の大切さです。今更言うまでもない事ですが。

　シリーズが続いてもずっと変わらないクオリティは素晴らしいですね。夏目と言うだけで安心して見られます。安心の夏目ブランド。原作が終わるまで忠実にアニメ化されていくものと思います。

　物語は動いているのにサザエさんとかと同じようにずっと変わらないんじゃないかと思ってしまう安定感。この優しい世界観にずっと浸っていたくなります。数ある妖怪をテーマにした話でも妖怪＝優しい話の図式を決定的なものにした夏目友人帳は話の質の格が違いますよね。

　実際のところ、このシリーズだけの特徴と言うものはないので、語る言葉もあまり多くはありません。今までの延長線であり、夏目と周りの人たちがただただ優しい、そう言う物語です。妖怪と人間との恋や、能力を突然失ってしまう人の悲しさ。作品に出てくる登場人物全てが幸せであって欲しいと願ってしまいます。そうそう、妖怪同士の恋の話もありましたっけ。

　夏目友人帳に外れはありません。今期の放送が終わってもきっとまた次のシリーズが作られると思いますが、焦らず気長に質の良い作品を作って欲しいと思います。