こち亀
そう言う訳で終わってしまいましたね、こち亀。40週年の200巻。これは偉業です。素晴らしいです。秋本先生お疲れ様でした。
私が初めてこち亀を読んだのはまだ連載して間もない頃くらいだったんでしょうか?確か新年会のエピソードだったと思います。まだかなり絵柄が劇画チックだった頃ですね。その時はたまたま目にしたジャンプだったので、それからは目にする事もなく。能動的にジャンプを読むようになったのはかなり後の事でした。
世に言うジャンプ黄金期、その頃ですか、私が能動的にジャンプを読むようになったのは。キン肉マンや北斗の拳、ドラゴンボールなどが連載されていた頃です。こち亀は当然のように連載されていました。絵柄はもうこの頃にはかなりスッキリしていたんじゃないかと思います。
多くの人がそうだと思うんですが、物語の形がいい意味でマンネリ化していたこち亀は読んでいて安心するんですよね。まさにジャンプのサザエさんでした。どんなに破天荒な展開になっても両さんは死なないし世界も崩壊しません。
こち亀があるからこそ、他の漫画がどれだけ激しい展開になってもここはジャンプだって再確認出来ていたような気がします。長年愛されてきた理由もそこにあるのかも知れないですね。
神様もエンマ大王も出てくるのに下町の平和以上のものを守らない。とんでもないホビーの知識と機械時計の制作からから飛行機の運転までこなす技術と寿司の板前までこなす才能を持って日々を楽しくエンジョイしている。超大金持ちの部下を散々利用していながら彼らに全く嫌われない。どんな状況でもサバイバル出来る屈強な生命力の持ち主。冷静に考えるとすごいキャラなんですけどね。
女っ気が薄いのを反省点にしたのか女性キャラを増やしたのでそこで往年のファンが去っていったと言う部分はありましたけど、これも女性読者が増えて来たジャンプの変化に対応したものなのかも知れません。両さんに恋愛要素は似合わないのでキャラは増えても恋愛に走る事がなかったのは正しい選択だったと思います。
私は最近の展開も女性キャラに似たキャラが多いなって印象を持った程度で素直に楽しんでいました。
こち亀は最終巻を200巻に収めるために数年前から調整していたみたいですね。だから一巻あたりの収録話数が増えていった。これがなかったら実際最終巻は205巻くらいにはなっていたのかな?休載を一切しなかったから調整も計画通りに行った部分はあるのかもですね。
サザエさん状態で書こうと思えばずっとまで描ける状態だったからこその切りの良い部分での終了は英断であり、ジャンプ編集部の盛り上げる体勢から見てもこの作品がどれだけ愛されていたかの証明にもなりました。最終回が表紙になるってよっぽどですよ。
ネットニュースによると今までに最終話が巻頭カラーを飾ったのは『リングにかけろ』『ドラゴンボール』『スラムダンク』の3作品のみだそうです。こち亀は4番目の作品になるんですね。
最後の両さんが載ったジャンプには記念すべき第1話も同時に掲載されていました。今読むとこの第1話は両さんの性格が本当のマッドポリスで、テンポも悪くて、話も詰め込み過ぎでかなり読み辛いです。今のジャンプでこの1話が新連載で始まったならきっと10週打ち切りコース一直線だった事でしょう。
そう言う時代だったのもあるのでしょうけど、作者の技術もジャンプの歴史と共に洗練されていったのでしょうね。
ちなみにこち亀は連載が終わっただけで、物語的には全く終わっていません。なのでいつかふらっと読み切りで戻って来たりもする事でしょう。少なくともオリンピックの年には戻って来て欲しいな。
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