第374話 キルーシャと奴隷解放②
「……他の商人のところと比べると、ずいぶん相場が高いようだが?」
「他は他、うちはうち、ですよ。お求めの砂漠の民は、滅多に市場にでないですし、うちが仕入れた者は状態がいい者が多いですからね。まとめて購入頂けるからといって、安価でお譲りする訳にはいきません」
「まだ教育も行き届いていない民族に、エルフと同等の価値があると?」
「確かにエルフは稀少ですし、美しいから高値がつきます。能力の高い者も多いですしね。ですが、お求めの砂漠の民も、男女共に優秀な戦士ですから。褐色の肌に黒い髪というのも、エキゾチックな魅力がありますし。ああいった奴隷に高値をつける好事家もうちの顧客には多いんですよ。教育だって、ほぼほぼ終わっていますし、もう数日お待ちいただけるなら完璧な状態で出荷することも可能です。まあ、その場合のお値段はさらに跳ね上がる事になるでしょうけれどねぇ」
言いながら、商人の男は値踏みするようにキルーシャを眺めた。
やはり質の悪い商人だった、とキルーシャはこみ上げるため息をかみ殺し、目の前の商人を鋭いまなざしで見つめた。
「といっても、困ったな。そちらの提示する料金だと、己の裁量で払える限度を越えている。1度戻って主に伺いを立てねば。しかし、そちらとてまとめて奴隷を売れた方がいいのではないか? いくら状態がいいとはいえ、売れ残る者もいるだろう?」
「まあ、そう言うこともないではありませんがね」
「だろう? 他にも状態の悪い売れ残りそうな奴隷がいるならまとめて買い取ってもいいぞ。それも考慮してもう少し何とかならないか?」
不要品も引き取るから値下げをしろ、と一応交渉してみた。
元々、ひどい扱いをされている奴隷や、売れ残って廃棄されてしまいそうな奴隷がいたら買い取ろうとは思っていたから、予定していた交渉ではあるのだが。
客からのそんな提案を受け、商人の男は小狡そうな面ににんまりと感じの悪い笑みを浮かべた。
そしてその視線を、キルーシャの斜め後ろに立つグランに向ける。
「不要品をお引き取り頂ける、と? それはありがたいお申し出です。しかし、それだけでは少々足りませんなぁ」
「足りない? では他に私にどうしろと?」
「あなたの後ろに立つ使用人。彼女をうちにお譲りいただけるなら、お求めの奴隷の大幅な値下げを考えてもいいんですがね?」
「ふむ。彼女を、か?」
「ええ。お客様は周辺の奴隷商で砂漠の民を買い集めていらっしゃるでしょう? きっとどうしても彼らを手に入れなければならない理由があるんでしょうなぁ。それを叶えるために、使用人を1人手放すくらい、大したことではないのではありませんかな?」
(なるほどな。最初からそれが目的で値をつり上げたのか。我らがこの部屋に入った時にはもうグラン殿に目を付けていたんだろうな。やけにグラン殿をちらちら見ているな、とは思ったが。だが、まあ、気持ちは分からないでもない。グラン殿は、同性の私でも目を奪われるほどに美しいからな)
そんなことを考えながら、斜め後ろに立つグランのそっと目配せをする。
そして、小さく頷いて見せた。
それは最初に決めておいた合図だった。
この奴隷商を叩き潰し、奴隷を解放するための。
事前の調査で、この商人が真っ黒なのは分かっていた。
目を付けた美しい娘の親を借金まみれにし、借金のかたに娘を取り上げることなど日常茶飯事。
表向きは禁止されているエルフの奴隷も多数扱っているし、売れない奴隷は容赦なく切り捨てる。
だが、彼らがきちんと正規の商談に応じるならそれでも良いと思っていた。
今までの奴隷商でもそうしてきたように、かつての仲間とひどい扱いを受ける売れ残りの奴隷だけを購入して終わりにしよう、と。
この国での奴隷の売買は合法なのだから、と己に言い聞かせ。
だが。
彼らはその機会を、自分達の欲のために永遠に失った。
キルーシャの合図を受けたグランは即座に動いた。
というより口を開いた。
「シェルファ。これからこの建物を解体するから、奴隷達を回収して例の場所へ」
「はいは~い。了解! シェルファにお任せ、だよぉ」
グランの言葉に、どこからともなく別の声が返事を返し。
足下の床が、かすかに揺れた。
「建物を解体する? 奴隷を回収? どういうことだ!?」
「どういうこともなにも、言葉の通りだが?」
半信半疑ながら、うろたえた声をあげる奴隷商人に、あっけらかんとグランが返す。
その返事を受け、らちがあかないと思ったのか、
「くそっ、何がどうなってるんだ!?」
動じずに悠然とソファーに腰掛けるキルーシャをその場に放置し、ドアに駆け寄った彼は勢いよくその扉を開けた。
だが、開けただけで一向に外へ駆けだしていこうとしない彼の背中に、キルーシャは静かなまなざしを注ぐ。
部屋の外がどうなっているか。
それを彼女は事前に聞かされて知っていたから。
「……逃げ道はないし、他の従業員も拘束した。もう諦めたらどうだ?」
立ち尽くす商人の背中に声をかける。
もうどうにもならないと悟ったのか、男はその場で地面に膝を落とし、うずくまるように頭を抱えた。
「くそっ、くそぅ……どうして。どうしてこんなことに」
「恨むなら、余計な欲を出した己を恨め」
商人の慟哭に、冷え冷えした声を返す。
それを合図としたように、グランが作り出した土の拘束具が商人をからめ取った。
無様に地面に転がった奴隷商人は、恐れの混ざったまなざしで、キルーシャとグランを見上げた。
「おまえ等は、いったい何者なんだ!?」
「何者? 何者、か」
その問いに、キルーシャはしばし黙考する。
別に答える義務などないのだが、どんな質問も真摯に受け止め、誠実に答えを探してしまうところが、キルーシャの真面目なところだった。
(シュリ様のしもべ、と正直に答えるのはまずいだろうな。シュリ様のお名前を出す事自体良くないだろうし。となると、どう答えるべきか)
考えるキルーシャの脳裏に、ふと幼い主とのやりとりがよみがえる。
それは出発直前のちょっとした会話だった。
彼は言った。
「全ての奴隷を救おうなんて思わなくて良いよ。けど、キルーシャが救いたいと思った時は躊躇する必要は無いけどね。間違った答えを出しそうになったらグランやシェルファが止めてくれるだろうし、困ったら僕も助けに行くよ。だから。自由にやってごらん? といっても僕は奴隷解放の父になるつもりはないし、できればほどほどにね?」
そんな風に。
主のくれた言葉を思い出し、キルーシャは1つ頷くと、倒れたままの奴隷商をじっと見つめた。
そして、
「我らが誰か。その問いに答えよう。我らは[奴隷解放の父]だ」
きっぱりとそう告げた。
シュリがこの場にいたら頭を抱えたに違いない。奴隷解放の父になるつもりはない、って言ったよね!? ……と。
しかし、この場にシュリがいない以上、名乗られたネーミングに文句を付ける者も無く。
ふっと笑ったキルーシャは、
「……ここで我らにできることはもうない。行こうか、グラン殿」
傍らに立つグランにそう声をかけ、
「うむ、そうだな。ではキルーシャ、私につかまれ。運んでやろう」
答えたグランはキルーシャの腰をしっかり抱いて、部屋の天井を一瞬で砂に変えると、あっという間に空の彼方へと消え去った。
「奴隷、解放の父……なんて恐ろしい組織なんだ」
呆然と呟く奴隷商をその場に残して。
この悪徳奴隷商天誅事件により、[奴隷解放の父]の名前は広く知られる事となる。
商都で奴隷商が捕縛された事件や、少し前に女性だらけの集団に評判の悪い奴隷商人が壊滅させられた事件も、[奴隷解放の父]の構成員の仕業だというまことしやかな噂も流れ。
各地の奴隷商人達は明日は我が身と震え上がり、少しだけ奴隷の扱いがよくなったとかならないとか。
後に、その事実を知ったシュリは遠い目をし、
「ま、まあ、ちょっとでも人の役に立ったならいいかぁ」
そんな風に呟く事になるのだが、それはもう少し先の話。
キルーシャがなにげなく名乗った[奴隷解放の父]の名前は、好意的な印象と共に各地に拡散されていくことになるのだった。
◆◇◆
他で購入した奴隷達をかくまっていた郊外のボロ家に、新たに救い出した奴隷達を連れ戻ったキルーシャは、その場の護衛をグランとシェルファに任せ、まずは馬車を数台買い求めてきた。
正式に買い求めた奴隷は、主がキルーシャになっているのですぐに解放する事ができるが、今日解放した奴隷は主がキルーシャでは無いため、すぐに解放するのが難しい。
グランを通してシュリに相談したところ、王都に連れ戻りさえすればどうにかする、との事だったので、馬車は奴隷達の移動に使うつもりだった。
シェルファに運んでもらうのが1番早いだろうが、距離が距離だ。
全ての者をシェルファに運ばせるのは流石にしのびない。
馬車の護衛は、己が行えばいいし、もし共に来てくれる者がいるなら更に万全となる。
グランとシェルファには一足先にシュリの元へ戻ってもらえばいいだろう。
そんな事を考えながらボロ家に戻り、奴隷達にこれからの事を話して聞かせた。
今日解放した者達は、ドリスティアの王都へ一緒に行ってもらうこと。
彼らはそこで奴隷の身分から解放される。
今日以前に買い求めた者達は、この場で自由が欲しいなら自由を与える事も出来ること。
その際はわずかではあるが生活資金を渡す事も告げた。
ただ、もし、ドリスティアの王都に共に行きたいなら、その者に自由を与えるのは王都に着いてからになる。
奴隷達は神妙な顔をしてキルーシャの言葉を聞いていた。
数人の奴隷が、この場での自由を求め、キルーシャは快くそれに応じる。
そして、贅沢さえしなければ一月は生き延びられるだけの資金をそれぞれに渡し、彼らを送り出した。
そうしてから改めて残った者達に目を向ける。キルーシャの元の部族の者や今日解放した者以外で残っているのは、1人で生きていくのが難しいほどに幼い者か、病や怪我でまだ自立が難しい者がほとんどだった。
「ドリスティアの王都までは長い旅になるが、私が護衛を務めるから安心してくれ。王都に行けば私の主がいる。お優しい方だから、皆を放り捨てたりはしない。自由の身になった後も、仕事や今後の生活についての相談に乗って下さるはずだ。もちろん、私も力になる。弱った体にはつらい旅になるだろうが、どうか共に頑張って欲しい」
安心させるように微笑みそう告げて、キルーシャはまず、己の部族以外の者を馬車に乗り込ませた。
グランとシェルファにも礼を言い、先にシュリの元へ行って報告をしておいて欲しい、と送り出し。
そして、身内だけがボロ家の中に残された。
1人1人、彼らの目をまっすぐに見つめ、それから深々と頭を下げる。
「みな、私の我が侭の為に辛い目にあわせた。本当に、申し訳なかった」
「キルーシャのせいじゃないよ。それに、もしキルーシャが大人しく嫁いでも、奴らは私らの土地を諦めなかったと思う」
「そうだ。奴らの狙いは元々我らの土地にあった。それはキルーシャが嫁ごうと嫁ぐまいとかわりはなかっただろう。キルーシャは悪くない」
キルーシャの言葉に、即座に声をあげたのは、幼い頃から共に育ったキルーシャの幼なじみ達だった。
先に声をあげたのがファルマは女ではあるが立派な戦士だ。
長い黒髪を1つにまとめ、琥珀色の瞳は凛々しく輝いている。
若干、筋肉を鍛えすぎている感はあるが、それでも十分に美しかった。
ファルマの言葉に続いたのは、もう1人の幼なじみのジガド。
黒髪に黒い瞳。
鍛え上げられた筋肉に若干無骨ではあるが凛々しい顔立ちの中々に味のある男ぶり。
彼はまだ若いに関わらず、部族の戦士長をつとめていた。
「もし責められるなら、戦士長の身でありながら部族を守りきる事が出来なかったこの俺だろう。族長を死なせてしまった俺は万死に値する。死ぬべき、と分かってはいたが、キルーシャを救い出すまでは死ねぬ、と生き恥をさらしていたのだが、まさか、助けるつもりだったキルーシャに、逆に助けられるとはな」
流石は我らの次期族長だ、と頼もしそうに見つめられたキルーシャは、彼の瞳の奥に見え隠れする熱を感じて、少々居心地の悪い思いをする。
かつて、彼から結婚をほのめかされた事があった。
別に恋仲だったわけではない。
もちろん嫌いだった訳ではなく、むしろ頼りにしていたし、友人としては非常にいい男だと思っていた。
ただ恋心を抱いていなかっただけで。
きっと、何事もなく時が過ぎていれば、もしかしたら彼と夫婦になる未来もあったのかもしれない。
部族内から夫を選ぶとなれば、彼が1番有力候補だったのは確かだから。
だが、そうはならずにキルーシャは他の部族から求められ、それを拒んだが故に一族は叩き潰された。
もしかしたら彼は、キルーシャが一族を復興させ、自分がその夫となり一族を率いる夢を描いているのかもしれない。
だが、唯一無二の主を見つけてしまったキルーシャはその夢を共に描くつもりはなかった。
「……ジガド。私は族長になるつもりはない」
「キルーシャ? 何を言っている? 我らを救い出したのはそのためではないのか? お前が族長にならないというなら、我らは誰を族長に抱けばいいのだ?」
「誰だって構わないさ。部族を復興させて共に生き抜く覚悟のあるものであれば。お前はどうだ? ジガド。お前なら、族長として立派に皆を率いられると思うが」
「俺が族長に? そんなつもりはない。俺は、ただ、お前と……。族長になったお前の一番近くで支えになれれば、それでいいと」
ジガドの口からでたその言葉は、キルーシャへの特別な愛情の吐露と言って等しかった。
その言葉に、キルーシャはしばし目を閉じ、そして開いた瞳でまっすぐに幼なじみの男らしい顔を見つめた。
「ジガド。すまない。私はお前のその想いに応えることは出来ない。私は出会ってしまったのだ。心からの敬愛と忠節を捧げて仕えるべき素晴らしきお方に。私はこれからの生涯を、あの方に捧げると己に誓った。故に、皆を奴隷の身分から解放した後も共に故郷の地に戻ることは出来ない」
「生涯を、捧げる。だ、だが、夫を持つことを禁じられている訳ではないだろう?」
「そうだな。あの方は何も禁じたりはしなかった。奴隷の私に自由を与え、戻ることさえ強制せずに私を送り出してくれた」
「ならば、俺は夫としてお前を支え……」
「あのお方を、お慕いしている。自分でも驚くほどに。たとえ叶わぬ想いだとしても、この想いを胸に抱いたまま他の男と添うことなど、私には出来ない」
キルーシャはジガドから目を反らすことなく言い切った。
すまない、ジガド、短くもう1度そう告げ、キルーシャは他の者達へと視線を向けた。
「いま話したとおり、私は皆と砂漠に戻る事は出来ない。これから先はドリスティア王国の王都へ戻り、我が主と定めたお方に生涯お仕えする。ただ、共に来ることを拒むつもりはない。私は主の為に働く戦闘集団を作るつもりだ。我が主に忠誠を誓い、参加してくれる者がいるなら歓迎する。ここで別れる者には当面の生活資金を渡すから申し出て欲しい」
自分の伝えたいことを伝えて、キルーシャは静かに皆の答えを待つ。
奴隷から解放された戦士達は、多かれ少なかれジガドと同じように、キルーシャが父の跡を継ぎ自分達を導いてくれるはずと思っていたのだろう。
その当てが外れ、彼らは戸惑ったように顔を見合わせていた。
そんな中、最初に口火を切ったのは、ジガドと同様……いやそれ以上にキルーシャと関係性が強い者だった。
「私はキルーシャと共に行く。砂漠に戻っても、もうそこに私らの土地はないし、他の部族にこびて生きるくらいなら、私はキルーシャの元で生きたい。その為なら、他国の王都にでもどこにでも着いていく覚悟はあるわ」
「ファルマ……お前が共に来てくれるなら心強い」
「それに、堅物のキルーシャの心を射止めた男がどんな奴か、正直気になって仕方ないしね。一緒に行ってどれだけの男なのか見てみたい」
いたずらっぽく続けたファルマの言葉に、キルーシャは目を閉じ、しばしその瞼の裏に幼き主の姿を思い描いた。
初めてその姿を目にしてからほんの少しの間しか時間を共にしていないにも関わらず、描くその姿は驚くほどに鮮明だった。
それだけ、彼の印象が強いという事なのだろう。
「我が主の素晴らしさを言葉で説明するのは難しい。だが、そうだな。強くて、優しくて、とても美しい方だよ。あのお方は」
「強くて優しくて美しい、か。会うのが楽しみだわ。キルーシャ、これからもよろしくね」
「それはこちらの言葉だ、ファルマ。頼りにしている」
2人は顔を合わせてにっと笑い、がっちりと手を握りあった。
すると、それを見ていた部族の戦士達が1人、また1人と名乗りを上げ、結局ほぼ全員がキルーシャと共にいく道を選んだ。
残されたのは、部族の面前で完膚なきまでに振られて呆然としているジガドのみ。
ファルマはその背中をどしんと叩き、
「で? ジガドはどうすんの? 来るの? 来ないの?」
遠慮なく彼の決意を促す。
「私らの戦士長ともあろうお方が、相手を見もせずに負けを認めちゃうわけ?」
あおるようなその言葉に、ジガドはぐっと奥歯をかみしめる。
そして、
「俺も、共にいくぞ、キルーシャ。そしてお前の男がどれほどの器か、この目で確かめる。お前を諦めるのはそれからだ」
拳を握り、顔を上げ、キルーシャの顔を見つめる。
幼い頃から変わらず想っている、美しい幼なじみの顔を。
そんな自分の横顔を、自分がキルーシャを見つめるのと同じ熱量で見つめるもう1人の幼なじみのまなざしに、ジガドは気づかない。
キルーシャが、
「いや、シュリ様は私の主であって、私の男、というわけではないのだが……」
困ったように呟く声もジガドの耳には届かず。
ただ、初めて聞く恋敵の名前だけは、しっかり脳裏に刻みつけた。
(シュリとやら。まだ見ぬお主に恨みはないし、キルーシャや我らを助けてくれた恩はあるが、それとこれとは話は別だ。キルーシャと共にお主の元へ赴き、我が力を示し、キルーシャの心を取り戻してみせるぞ)
正直、キルーシャの心がジガドのものだった事は1度もないのだが、心の声につっこめる人物などいる訳がなく。
内心で暴走しつつも、表面上は冷静に。
キルーシャについていく、と決めたジガドは、戦士達にてきぱきと指示を出してあっという間に出発の準備を整えていった。
そんなジガドを、キルーシャは少し不安そうに、ファルマは頼もしそうに見つめる。
そんな2人のまなざしに気づくことなくジガドは着々と準備を進め。
整列した戦士達と馬車の隊列の並びを満足そうに眺めて頷き、
「では、ドリスティアの王都へ向けて出発する!!」
高らかに号令をかけた。
こうして、キルーシャと救い出した奴隷と砂漠の民は共に、ドリスティアの王都を目指して旅立ったのだった。
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