SS 注文の多い○○……?②

※2017/10/18 内容を一部変更しました。



・ジュディスの場合



 放課後の屋内プール。

 泳ぎの苦手なシュリは、居残り練習を申し渡されて、一人プールへやってきた。

 そこには、心優しく知的な美人で、とってもスタイルが良いと評判のジュディス先生が、シュリに泳ぎを教える為に待っていてくれた。

 先生を待たせてしまったと慌てたシュリは、ジュディス先生に駆け寄る。



 「ジュディス先生っ!待たせちゃってごめんなさい!!」


 「大丈夫よ、シュリ君。先生、そんなに待ってないから」



 先生はきれいな笑顔でにっこりと微笑む。

 シュリはそんな先生の顔に一瞬ぽっと見とれて足を止めかけたが、これ以上先生を待たせてはいけないと、走るスピードを上げた。そんなシュリを見て、先生は慌てて声をかける。



 「シュリ君、足下が濡れていて危ないわ。気をつけ……」



 その言葉を最後まで聞かないうちに、シュリの足がつるっと滑り、前に勢いよくつんのめっていた。

 小さな体が勢いよく宙に舞う。



 「危ないっ!シュリ君!!」



 それを受け止めようと進み出るジュディス先生。

 転びそうになったシュリは、奇跡のような正確さで、ジュディス先生の胸の谷間に顔をつっこんだ。

 いわゆるラッキースケベというやつである。

 その胸のあまりの柔らかさに、思わず顔を真っ赤にするシュリ。

 なんだか変な気分にもなってきて、シュリはもじもじと内ももをすり寄せた。

 だが、ジュディス先生はそんな生徒の様子に気づくことなく、更に追い打ちをかけるようにシュリをぎゅっと抱きしめる。シュリの顔を、胸に押しつけるようにして。



 「よかったわ、転ばないですんで。シュリ君、けがはないかしら?」


 「せっ、せんせぇ。ぼ、ぼく。ぼく……」


 「どうしたの??」


 「なんだか、その、おかしいんです」


 「おかしいって、なにが?ちょっと見せてくれる??やっぱりけがをしたのかもしれないわね??」



 先生はそう言いながら、立たせたシュリの体を両手で撫で回しながら確認していく。

 その優しい手のひらが与えてくれる、まるで愛撫のような刺激に、シュリは幼い頬を更に赤くした。呼吸が徐々に荒くなり、幼い身体がぴくん、ぴくんと震える。

 だが、先生はそんなこと気づかない。



 「あら?」


 「なっ、なんですか??先生……」


 「シュリ君の胸のそこ、ちょっと腫れてないかしら」


 「そっ、そんなこと……ないと思いますけど。普通、ですよ?」


 「そうかしら?でも、ほら」



 言いながら、ジュディス先生は、柔らかな手の平でシュリの幼い胸板を優しくさすった。

 途端に、シュリの身体がびくんと跳ねる。



 「んっ!?」


 「あら?痛かったのかしら??心配だわ……」


 「あ、あのあの。その、だいじょうぶ、ですから」



 シュリは主張するが、先生はきっぱりと首を横に振った。



 「だめよ?こう言うのは、ちゃんと治療しないと!せめて、応急処置だけさせてもらわなくちゃ」


 「おうきゅう、しょち?」



 潤んだ瞳で、シュリが先生を見上げる。ちょっと不安そうな顔で。

 そんなシュリを安心させるように、ジュディス先生が微笑む。



 「大丈夫よ。痛く、しないからね??」



 ジュディス先生はそう言って治療を開始した。

 正直そんなの治療なんて言わない。言わないけど、つっこんじゃいけないんだろうから我慢する。

 うん、まだ許容範囲だし。


 シュリが内心そんな事を思っていることなどいざ知らず、先生は艶っぽく笑う。 そして、微笑みながら彼女はシュリの身体の上で指先を滑らせた。

 下へ向かって。

 そして、半ズボン型の水着のところでその指先を止めて、



 「先生の治療で、ここをこんなに固くしちゃうなんて……」



 唇の端をきゅうっとつり上げた。

 シュリはそんな先生の顔を困ったように見上げて、そして……



 「いやいや?固くはなってないでしょ?」



 素でそう返した。



 「いえいえ、シュリ様、そこは固くなった設定で返してもらえませんと。ジュディス先生としても困ってしまいます」


 「え~??もう良いでしょ??流石にここから先は覚えきれてないし。ジュディスのシナリオ、ちょっと長すぎるんだもん」


 「むぅ……ですが、仕方ありません。後もつかえていることですし。続きは、次の機会にとっておきます」


 「とっておくんだ……」


 「もちろんです。熟考した、秀逸で理想的なシナリオですので」


 「そ、そう……じゃあ、また、いつか……機会があったら、ね?」



 シュリの返事に、ジュディスはにっこりと微笑む。

 ジュディスが作ったシナリオの、この先のとんでもない展開をすでに知っているシュリは、その機会が出来れば来ないといいんだけどなぁ、とこっそり苦笑いをするのだった。

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