けむにまいたり

作者 なみさとひさし

狂気と冷静の間で曲者たちを煙に巻き

  • ★★★ Excellent!!!

さらさらと読みやすい、優しい文体で綴られた小説です。
オカルト、格闘技、イジメ、そして鍼灸、多様な分野の知識、技術を交えながら人の抱える”問題”見つけ出し、煙に巻いてしまう作者様の知識の広さと抜群なユーモアセンスが冴えに冴えています。



舞台は「あおぞら治療院」という平和な屋号の治療院。

しかしながら登場人物は曲者ぞろい。
ゴスロリ魔女に、勝手に呪われたと思い込む商店街の人々、治医院長は仕事中に不倫をしてる。

そんな曲者たちを治療?する主人公であるモグリの鍼灸師は、ある意味では道化を演じる冷静な男、ある意味では誰よりも曲者な狂人です。

狂気と冷静の間で曲者たちを煙に巻き、患者たちを導く? 彼の姿は物語の中だけに納まらず、人間の普遍的な心の強張りを読み手に気づかせてくれるかもしれません。


また、呪いの解釈をただのオカルトやプラシーボ効果として扱うのではなく、作者様の呪いに対する”現実的な”論理展開も見所です。

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