7-LOVE YOU


最後に一つ。

何度もいうけど、僕は僕だ。

この子を授かれるかもと思ったとき、彼ならいいと心を許した理由は理解してくれたからだけじゃない。彼に対しては愛があったからだ。それは、男だから女だからじゃない。家族だからでもない。もっと大きい人間愛があった。僕が今もし誰かに、

「君も男で彼も男なのに、愛しているの?」と聞かれても僕の答えは「イエス」だ。

それなら、同性愛者かそれともバイ(自分の性にかかわらず、男女ともに愛せるひと)かと聞かれるかもしれない。それは「ノーだ」。理解してもらうには、簡単じゃない愛が僕の中にはある。本人には一度もこんなこと面と向かっていったことはないけど、僕は彼を人として愛している。僕は彼を尊敬している。完璧な人間なわけじゃない。むしろ最近はダメなところが目立って、呆れて笑えるほどだ。それでも、彼の中にある根っこの部分を愛している。だから、ただわが子を授かるためだけに、彼を選んだんじゃないことをわかってもらいたい。僕は彼じゃなきゃいけなかったのだ。今でも彼でよかった。彼の子でよかった。と思うことができる。きっとこれは僕が男としての人生しか知らなかったら、この大きな愛に出会うことはなかったと思う。この大きな愛を教えてくれた彼には、感謝している。これからも娘の顔を見るたび、彼に感謝するだろう。


そして、もう一人。母への大きな感謝は忘れない。僕の自由奔放すぎる人生を最後は受け入れ見守ってくれる、こんな偉大な母はいないと思っている。多くの衝撃を受け止めてくれて、ありがとう。これからまた、大きな衝撃を与えることもあるかもしれないけど、ご愛嬌程度に受け取ってくれると嬉しい。母が僕を愛してくれているように、僕も母のことをもちろん愛している。そして、同じように娘のことも。母のようにあんなに偉大は母にはなれないかもしれないけど、母の背中を見ながら僕は母になっていく。あのとき僕を見捨てず、絶縁しなかった母に感謝です。

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