2-かけがえのない人

そして、僕が1年生の夏だった。

体のケアをするのに、先輩に教えてもらった、接骨院に通うようになった。そこで僕は中学生以来の恋をすることになる。僕の大学生活は彼女なしには語れない。僕が入ったサッカー部は、僕と同じようにGIDで悩む子たちがたくさんいて、隠すことも必要なくて、むしろオープンにその話ができて、彼女がいる人もいて、僕が今までいた環境と違って、こんな環境もあるんだと自分らしくいれるようになった。


1年生の秋、その接骨院のスタッフの人たちと仲良くなって、流星群をみにいくことになった。僕が大学生活を過ごしたところは、すごく田舎で山が多い場所だった。だから、きれいに見えるところを紹介してくれるというので、連れていってもらった。そのうちの一人に僕が仲良くなりたいと思ってる人がいた。出かける少し前に、友達に「あの人声かわいいよね。」と言われ、それからなんとなく気になっていた。たまたま、その人と家が近くて行きも帰りも一緒だった。僕は落ち着かなくて、よくしゃべった。あとから彼女に「この人よくしゃべるなって思っていたよ」と言われた。それから、ご飯にいくようになったり、家を行き来するようになった。


もう毎日一緒にいるようになった冬。付き合っているような関係が続いていたけど、告白もしていなかったし、はっきりしないといけないと思い、僕は気持ちを伝えた。ちなみに彼女は僕と出会うまでGIDとかそういったことは全然知らなかったけど、仲良くなる中でそのことを話したら、特に偏見もなく受け入れてくれた。

だから?僕の告白も大成功。それから、ぼくが23歳になる4年半くらい一緒にいた。今思い出しても楽しいことばかりで、忘れることのないかけがえのない時間だった。半同棲していて、好きな人と一緒に暮らすことの幸せとか、どこかに旅行にいく楽しさとか、なにげない毎日とか、ケンカする辛さとか、僕に教えてくれたのは全部彼女だった。


僕は部活を頑張りながら、教員になるために勉強も頑張っていた。そして、彼女も仕事をしながら学生をしていたから、一緒に勉強することもできて、本当にいつも支えられた。彼女の支えがあったからか、僕は部活にも身が入ったし、サッカー人生で一番必死だった。


チームはインカレや全国大会にでていたし、その一員でいられることが奇跡のようだった。勉強だって楽しかった。教員になるために夢を叶えようと努力した。それまでの学生生活、苦しいことが多かったけど、大学生活は楽しくて、自分らしくいられて、それまでで一番最高の学生生活だった。

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