第2155話:コレブ・ヒレースト〜無音〜
「何も聞こえねぇ」
周りには人が沢山いて、思い思いのことを話しているが俺には何も聞こえない。
耳がいかれてしまったわけじゃない。
そういう契約をしたんだ。
聴力を一時的に提供する代わりに、金を受け取っている。
具体的なことは聞いていないが社会実験の一環だと思っている。
突然正常な聴力を持っていた人間が聴力を失った場合にどうなるのかという実験。
まぁ、俺はまぁまぁ適応力があるからどうとでもなる感じ、こうやって街にも出かける。
いつもの街は煩すぎてよくないが、このぐらい静かだととても歩きやすい。
客引きは聞こえないから完全に無視できるし、無駄な会話に気を引かれて壁にぶつかったりすることもない。
快適だ。
音で危険を感知している人だと危なそうだが、問題はなかった。
ただ、気を付けなければ気づけないこともあるだろうと周りをキョロキョロしてあるかねばならないことだけは不便だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます