第2154話:クル・シラールス~鼓舞~

「ファンがさ、「応援してます!」ってよく言ってるんだけどさ、あれって具体的には何してくれるの? 家にいるときに届かない声援を送ろうとしているわけじゃないよな?」

「応援の解像度が低い……! よくそんなんで作家をしてるなお前」

「別にそれはいいだろ。で、具体的に何してんだよ。お前も前に俺のこと応援してるって言ってただろ」

「まぁそりゃあお前の著作を買ったりとか、機会があれば人に勧めるとかそういう感じだな。お前の利になりそうなことを日々の活動の隙間に入れたりとかだよ」

「なるほどな」

「ところで、何でいきなりそんなことを気にしだしたんだ? 最近何か言われたのか?」

「まぁなんだ、俺もこないだ俺がファンやってる作家さんに会ってさ「応援してます!」って言っちゃったんだよ」

「お前もそういうこと言うんだな」

「あぁ緊張してたってのもあるがな。でさ俺がさっき言ったみたいな「応援してるって具体的に何してるの?」って返されたんだよ」

「意地が悪い人だな」

「まぁユニークだよな。そういう人柄が作風に出てるんだと思う。そんで俺お前がさっき言ったみたいなこと全然思いつかなくて「家から声援送ります!」って言ったんだよ」

「マジでそんなこと言ったのかお前」

「そしたら滅茶苦茶笑われて、病院送りにしちゃったんだよね」

「まぁ仕方ねぇなそれは」

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