第2128話:ハットル・カーマリスプ〜車中泊〜
町と町をつなぐ道を走り続けて時間は夜。
夜中に町の外を走るのは何が起きるかわからなくて危険なので道を外して停める。
車旅の利点、というか欠点というか、寝床を車にすることになり、どんな状態でも雨風を凌げるのだが、まぁ座席で座って寝るということは体が痛む。
座席を倒してベッドにする改造をしたが、それはそれでまだ座席の硬さがベッドの硬さに及ばない。
一日二日ならこれでもいいが、常日頃から車中泊するのであればこれでは死んでしまう。
そこで、寝室を車につける改造を行おうと思う。
そもそもの車内が燃費のために狭い造りなのがあらゆる問題の原因なので、亜空間をうまく使わねばならない。
しかし、高速走行中、しかも悪路を走ることが多く振動も多い、そんな環境で安定して空間を維持できる亜空間装置は値段が非常に高い。
燃費を良くするために車を狭くして亜空間の安定性のために値段が高いものを買うのでは本末転倒というものだ。
寝るときにワザワザ車外にテントを張るのは面倒だし、鍵も掛かりほぼ完全に外界と隔絶できる車中泊とでは安心感も段違いだ。
昔の映画に憧れてこういう車中泊の流れ者生活を選んだのだが、あの主人公たちもこうした苦労が多くあったのだなぁとしみじみと腰の痛みに思いを馳せる。
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