「む、何か違和感が……うおわー！？」

「どうした、何が起きた？」

「何か変なものが見える……ていうか、目の前に何か知らん映像を流し込まれている感じだ……気持ち悪い……俺どうなってる！？」

「いや、横から見てる感じでは特に何も起きてないぞ、ただお前が突然暴れ始めただけだ」

「目の前に変なモニターとか無いか？」

「無い。網膜に直接投影されてるか視神経をどっか変なところに繋ぎ変えられてるとかじゃないのか」

「やっぱそうかなぁ！？　目を閉じても見えるし座ってるときじゃなかったら滅茶苦茶危なかったな……バランスが取れん」

「あとお前、声がでかい」

「仕方ないだろ！？　周り見えないんだから、距離感とかその辺がおかしくなるんだ」

「耳が聞こえなくなるわけでもないのにな、今度はだいぶ小さくなった」

「お、おう……どうしたらいいんだ……」

「さぁ……わからんがとりあえず座ってろ。手すりは脇にちゃんとあるから」

「お、おお……あった。しかしこれは誰の視界なんだ……」

「映像じゃなくて誰かの視界なのか？」

「それっぽさはある。結構きょろきょろしてて、不安定だ……酔う……」

「もしかして、視界が交換されてるんじゃないか？　向こうはお前の視界を見てる可能性がある」

「なんでそんなことを……うわぁ！」

「何があった？」

「向こうが転んだ……やっぱり向こうは向こうでちゃんと見えてないみたいだ……痛くはなかったがこえぇ……」

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