第2116話:グラウオース~旧き者~
「お初にお目にかかります、かつて滅びた旧き者」
海の底、生前の世界に伝えられていて存在のみが知られていた旧世界の支配者。
かつて滅びたというのであればこの世界に存在している可能性が高いといろんな調査を繰り返してようやく見つけることができて、今だ。
『何者だ……』
脳に直接響く意味。
声が声として認識できない音のようで、言っている内容が直接伝わってくる。
その超常的な応答に感動したのと驚いたのが混ざった妙な慌て方をしながら、自己紹介する。
「あ、あの私は……あなたの信奉者です!」
旧世界の神の伝説が好きすぎてあらゆる文献を読み漁り死んで海の底までわざわざ潜ってきて会いに来るぐらいなのだから、信奉者を名乗っても良いだろう。
『信奉者……? 時代が代わりそのような者はもうおらぬと思っていたが、まだいたのか……しかし、直接会いにきたのは今も昔も貴様が初めてだな』
確かに旧世界の人間では海の底へ潜ることも叶うまい。
「存在が証明でき、直接会えたならば聞きたかったことがあるのです。旧き世界を支配していたあなた様は、なぜ滅びるに至ったのですか?」
伝説にはかつての信奉者の記録や起こした数々の奇跡や御業について書かれているだけで、最後に関しては何の記述も見つからなかった。
『ただ何ということは無い、お前の言う旧き世界は法則が今と違ったのだ。その変わった法則に私の体は適応することができなかっただけのこと、私とて神でもない一生物であったのだからな……』
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