第2073話:クルーミス・ファラウト~時代考証~
「私は物語が結構好きでこの世界に来てからいろんな世界の物語を滅茶苦茶読んでるんですけど、よく時代考証がめちゃくちゃな作品が多くあってですね……」
「まぁ時代考証は難しいし……」
「ありとあらゆる時代の書物があるんだからありとあらゆる時代考証をしっかりできるはずじゃないですか!」
「人には限界という物があるから」
「そうは言ってもですよ、こないだ読んだ話なんて私が生きていた時代の私の故郷の世界が舞台の話だって書いてあったんですよ。表面上は確かにそうだったんですけど、他にあるいろんなところが全然違う時代の描写ばかりだったんですよ! どう思います!?」
「まぁフィクションだからね。仕方ないよ」
「まぁ~そうです。話の都合上そういう描写にした方が面白くなるとかでずらして書くことは多分にあることは理解しているんですが、全然話に関係ないしむしろそこの部分を時代準拠にしていた方が話の広げ方に無理もなかったんですよ! さすがにひどくないですか!?」
「まぁそこまで行くとひどいかもしれんね」
「ですよね! しかもその作者、それを指摘するメッセージ送ったらなんて言ったと思います?」
「そんなもん送ったのか。「勉強になります」とか言われたのか?」
「「この作品は私のいた世界をモチーフとしています、時代考証を間違うことはありません」だって!」
「じゃあそういうことなんじゃないのか? お前がいた地域かその作者がいた地域が時代錯誤だっただけで」
「間違いなくその作者の住んでいた地域です、間違いなく!」
「どーだか」
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