第2072話:マキラ・スキィン~狂い人達~
「この先は狂い人が住む村がある。この辺りは気を付けて通らねば自身も狂い人にされてしまうらしい。心して通るんだ」
「わかりました」
フィールドワークへ出た先、狂い人の村があるという噂の地域にたどり着いた。
この辺りでは人が狂気に拐かされ、村に取り込んでしまうという話がある。
気を強く持ち、正気を保ち、狂気に染まった人間に近づかれたら何を置いても逃げる必要がある。
「では、行ってらっしゃい。また会えるといいですね」
「はい、いろいろ教えていただきありがとうございます」
彼はこの辺りで狂い人の村について周知して回っている人で、この辺りに住んで長いらしい。
狂い人の往来が少ない道も教えてもらえたし、安全に抜けることができるだろう。
「おい、君!」
狂い人に声を掛けられたが無視だ。
まるで正気を保っているような声だが、狂い人は一見常人と同じような振る舞いをするという話だ。
騙されないようにしないといけない。
「君、この道は誰に教えてもらったんだ!」
無視だ、無視をするんだ。
声に振り向いてしまえば自身も狂気に引きずり込まれてしまう。
まっすぐ教えられた道を進むだけ。
「この先は狂い人の村だぞ!!!」
そんなわけがないだろう。
先ほど道を教えてもらったのだ。
この先は狂い人の村を安全に抜けられる道、間違いない。
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