第2056話:フライ・メトコン~出たとこ勝負~
「とりあえず、今は作戦を建てられる状況にない。この先がどうなっているのか、相手がどういう体制で構えているのか、そもそもどれぐらいの戦力なのか、何もわかっていない」
「はい、出たとこ勝負ってやつですよね」
仲間と一緒に飛び込んだ敵地の神殿の中、この通路の先はどうなっているかわからないが、いままで誰とも出会っていない。
おそらくこの先には大群が待ち構えているに違いないと想定しているが、その想定も完全に勘だから、どうかはまったくわからないのだが……
「ああ、どんな状況になっていようと生き残る意志さえ失わなければ、きっと何とかなる。勝つことよりも死なないことを考えるんだぞ。よし行くぞ!」
「ええ、行きましょう!」
扉を開け、中に飛び込んで構え周囲の様子を確認する、周囲には人間が多数いるが無警戒で、まるでパーティ会場だ。
「あれ……?」
「どういうことだ……?」
突撃した先は邪教の神殿、常に警戒を怠らないことを想定していたがこんなホールで無警戒な人間が多数いてパーティをしているなんてこと、全く想定していなかった。
「というか、ここさっきの神殿じゃなくないですか?」
「確かに……」
「しかも、ドアを入ったのに、ここ大ホールのど真ん中ですよ……?」
「転送トラップか……くそ、警戒を解け。皆様方、大変失礼いたしました。ほら、いくぞ」
「え、ええ……」
「現在地を把握しなければ……振り出しだ」
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