第2030話:キルムチ・ガルデ~血の花~

「血のような色の花が咲く森にはたくさんの死体が埋まっていて、その死体に根を張っているという話があるんだ」

「無いでしょ、別に地下に何が埋まってるからって花の色はそんなに大差ないと思うよ」

「あるよ! ある話だよ!」

「ほんとにぃ?」

「う、まぁ都市伝説みたいな話しだけど……」

「嘘なんじゃん」

「都市伝説は嘘じゃないよ! 嘘って言うか、噂っていうか、そういう怖い話で……えーっと、つまり……ってそういうあるとかないとかの話じゃなくて!」

「どういう話だったの?」

「近くの森にすごい血みたいな色をした花が咲いているんだ。それでもしかしたら死体がたくさん埋まっているんじゃないかと思って」

「なるほどね? それで死体を掘りにいこうとおもったわけだ。子供みたいだな、死体があるらしいって聞いて友達を誘って旅に出る。そんな映画があったな……」

「いいじゃないか、知ってるか? この辺では昔たくさんの人が行方不明になる事件があったんだ。きっとそこに行方不明になった人たちが埋まっているに違いない」

「その話聞いたことが無いけど、どこで聞いた話なんだ?」

「う、噂で……」

「なるほどね、一人で行ってくれ」

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