第2015話:カルア・ピアルポ~呪い病院~
「今朝起きたら腕にこの模様が出てて……」
そう言って見せられた腕には黒いロープに巻きつれているかのような模様。
「これって呪いとかですかね? 全然心当たりとかがないんですけど……」
「うーん、そうですね……呪いの心当たりがあるのでは?」
「え、呪いなんですか?」
「いや、正直何かはわかっていませんが、こういう症状が出た時に「もしかして病気かも?」って言う人と「呪いですかね?」って言う人がいて、呪いの心当たりがある人ほど「呪いですかね?」って言うんだよ、経験上。ここは病院だからそういう呪いの案件を持ち込まれても困るだけなんだけど。で、君は呪いを受けるの心当たりはあるの?」
「えっと、その……」
どうやら呪いの心当たりがありそうだ。
「まぁ、呪いだとしてここでどうにもならないこともない。実はうちはどういうわけか病気と呪いが半々ぐらいで持ち込まれるんだよね。だから、ある程度の処置はできる用意がしてあるんだ」
「私も病気でも呪いでもこの病院に行けば解決してもらえるという噂を聞いてきたんです」
「そんな噂が立っているのか? じゃあ処置は止めようかな……」
「えぇ!? どうして!?」
「いや、呪いに関しては実際素人で確実に解決できるようなものじゃないし、本職が別にいるんだからそっちに行って欲しいんだよね。君の腕も先の検査の結果を見た感じ病気ではなさそうだし、たぶん呪いだよ。心当たりがあるのならそっちに当たってもらった方が解決しやすいと思うし、本職の祈祷師とかの方へ行ってくれた方が解決すると思うよ。これ以上うちで解決するなんていう噂を立てられても困るしさ」
「うーん、そうですか……」
「そうだよ、次その噂の話題出されたらちゃんと否定しておいてよね、むしろまともな患者が来づらくなるし」
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