第1985話:イカイ・ニシヘビ〜重ね着〜
「重ね着してるのよ」
冬季のの公園で見かけたいかにも寒そうな格好をした人が。
そんな格好で寒くはないのかと聞いたら、そのような旨が返ってきた。
重ね着、重ね着か。
何枚も服を重ねて着ることで保温性とかそういうのをアップさせようというものだ。
「参考までに何枚何をどうやって着てるのか教えてもらってもいいですか?」
ここまで体のラインがきれいに出るうえで寒くない程の重ね着は私にはできない。
何かコツや裏技があるに違いない、それさえ知ることができれば冬季に着ることができる服のレパートリーが格段に増える。
冬にだって着たい、夏の服はいくらでも持っている。
「まずは一枚でしょ」
そう言うと彼女は脱ぎ始めた。
どんな服をどんなふうに着ているのかということの説明だ。
その一枚目の服の下、いかにもあたたかそうなゴツゴムの携帯ダンボール器具を身に着けていた。
「あ、あれ? さっきまであんな薄そうな体のラインが出る服の着てたのに、そのカイロなんて影も形もなかったですよね、あれ? あれれ?」
「簡単に言えば、服の裏側が宇宙になってるんです。宇宙だからどれだけ中に着てても着ぶくれしないんで好きなだけ着れるでしょう?」
服の裏側に宇宙!? そんな技術があるのか……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます