第1979話:ミナキ・スルバ〜毒〜
この毒はありとあらゆる生物の命を蝕むことができるという触れ込みで買ってみたものの、まだ使う機会に恵まれない。
わざわざ毒を用いて狩る程強いモンスターを狩ることは無いし、かと言って毒が必要としてももっと安価で一般的な毒を使えばいい。
この毒を使う機会など、一般的な毒物が何も通用しない上でしか訪れることはないだろう。
買ったときは酔っ払っていて冷静な判断力が失われていたに違いない。
そもそも、ありとあらゆる生物の命を蝕むことができる猛毒とはなんなんだろうか。
毒にも種類があるが、生物を構成している物質を腐食させたり融解させたりするもの、神経の信号伝達を阻害するもの、体力を削るという概念を体現したものある。
腐食融解系のものは体の構成物質によっては通用しないし、神経系のものは神経という体組織を持たないものには通用しないし神経を構成している物質によっては通用しないこともある。
概念系の毒は広く通用するが、毒耐性という対概念を持つものには通用しない。
ありとあらゆる生物に通用する毒ということは概念系の毒ということなのだろうが、毒耐性も無視するみたいな触れ込みだったのが気になる。
世の中には毒耐性無視耐性とかいう冗談みたいな耐性持ちの生物も存在するのだ。
そんなものにも通るとなると、ヤバすぎる毒物なのだろう。
小瓶に入れて保管してるのが恐ろしくなってきた。
おそらく、これからも使う機会は一生訪れることはないのだろう。
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