第1957話:ジュニ・ミラソーン~大災厄~

「新たな大災厄の卵が確認されたというのは本当か?」

「はい、未だ孵化の兆しはありませんが、孵化した際の損害は甚大なものとなる見込みです」

「そうか……」

 最近様々な世界での災厄が次々とこの世界へと転生している。

 理由は不明だが様々な世界に超大規模な災厄という物は存在しており、最近になって近いタイミングでそれらが討ち取られ始めたようで、まとめてこの世界に流れ込むように出現しているのだ。

 話が通じるタイプの災厄であればこの世界の最大戦力らに力を示してもらっての説得もできるが、現象のような災厄であるならば説得は不可能だ。

 だから発見次第破壊するなり封印するなりして対処するしかない。

「これで今季、27個目の災厄か……」

 通常なら一季に1つ、多くても5つ程度の災厄がこの世界に転生してくるが、今期は既に多いときの5倍もの数の災厄が転生してきている。

 いったい何が起きているのか、この世界にも滅びの時がこようとしているのではないか、そんな気分にもなるが、案外この世界に存在している数多の善性のある超越存在の暇つぶしにはなっているのかもしれないと、そんな気もするのだった。

 普段は災厄も数が少ないから皆で分けてるが、この数なら一人一つの災厄を相手にすることもあるだろうし。

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