第1918話:アメフ・ハーマン~初心者経験者~

「お前も昔は初心者だったころがあるだろう?」

 初心者に対して当たりが強いやつに対して言ってしまった。

「いや、俺には初心者だったころはないが?」

「いや、さすがにそんなことはないだろ」

「いや、無い。俺にはとある特殊な能力があってな。どんな物事であっても、中級者程度の実力を発揮することができる」

「なんだそのヤベー能力……」

「うむ、神の加護というものだ。試しに何か勝負を提案してみてくれ。できれば君が中級者程度の物がいいな。それだといい勝負ができると思う」

「うーん、そうだな……このゲームはどうだ?」

 手持ちのゲーム機に入っていた対戦格闘ゲームを提案してみた。

 俺はいわゆるカジュアル勢で上手いというほどではない。

「よし、やってみるか」

「さすがに負けんぞ」


「負けた……!」

「いやー、何とか勝てたな。しかしなかなか難しいゲームじゃないか。それなりにやりこんでるんじゃないか?」

「まぁ、そうだけど……」

「だろう? 俺といい勝負ができたことを自慢してもいいぞ」

「うーん」

 釈然としねぇ。

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