第1905話:ファル・ガウバ~人体改造~

「この薬を注射すれば君の体は数倍の能力を得ることができる……その代わり、死ぬほど辛い副作用が君の体を襲うことになるだろう」

「死ぬほどつらい……? 一度死んだことがある身から言わせてもらうと死ぬのって思ってるより辛くないんだよ」

「いや、私も死んだことあるけど、ていうか人によって違うだろそこは」

「そっか」

「話を戻すぞ。この薬を受け入れる覚悟は君にあるかい?」

「具体的にはどういう薬なの?」

「この世界で一度死んで蘇生しなおすみたいなのはできないから、完全に生きたまま新しい生命体という認識にも引っかからないよう内臓や筋肉組織を増築するように強化して強くするという薬さ。その過程がまぁ生きたまま、意識のあるまま行われるのでめちゃくちゃ痛い。この薬のテストで3人死んだ、2人成功してとてつもない力を得たが1人は得た力で研究所を脱走して行方不明さ」

「やばい薬じゃん!」

「やばい薬だと言っているだろう!? このリスクの塊のような薬を君は受け入れる覚悟はあるかといっている。その身を引き裂かれる痛みとのことだ。気分的には3回ぐらい殺してほしかったと1人残った被験者は語ったかな」

「いや、俺は別にそこまでして強さは欲しくないかな。どんな痛みを伴うって言っても、そういう薬を使うのは無理やり労力の圧縮するような行為だし」

「む、そうか……? ならこの薬は誰に使うか……、もし君の知り合いにどんな手を使ってでも強くなりたいという者がいたら紹介してくれたまえ」


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